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「そうだ。いまラビルはね、ここからそう遠くはない、北の方角にある、ポセイドンの石像が置かれている、海の近くにいるよ」
思い出したように、長老が言った。
「だから、いますぐそこへいけば、きっとラビルは助かるさ」
「なら、すぐにいきましょう!」
ラズがそう言うと、ネルーピーとスピロルが、しっかりと頷いた。
そのあとリチアが、
「ええ、長老がいうんだもの。絶対に、そうした方がいいわ」と、ラズたちに向かって言った。
「でも、私たちは、これから長老を、また海の底まで送っていかなければならないの。だから、一緒に助けにいってあげたいのだけど、いけないのよ」
「すまない」
フィブロが、頭を下げながら言った。
「ええ、本当に」
レアリルも、フィブロとおなじく、頭を下げた。
「気にしないで」
頼もしくラズが言った。
「ラビルの居場所さえわかれば、あとは私たちだけで、うまくやってみせるわ」
「そう、なら安心だわ」
リチアがそう言った。
「じゃあ、ラズ、ネルーピー、スピロル。三人とも、幸運を祈っているわ」
こうして、ラズは、親切な人魚のリチアたちと別れ、ネルーピーやスピロルと一緒に、ラビルの捕まっている、ポセイドンの石像が置かれている海を目指して、大至急、ボートを進ませた。
思い出したように、長老が言った。
「だから、いますぐそこへいけば、きっとラビルは助かるさ」
「なら、すぐにいきましょう!」
ラズがそう言うと、ネルーピーとスピロルが、しっかりと頷いた。
そのあとリチアが、
「ええ、長老がいうんだもの。絶対に、そうした方がいいわ」と、ラズたちに向かって言った。
「でも、私たちは、これから長老を、また海の底まで送っていかなければならないの。だから、一緒に助けにいってあげたいのだけど、いけないのよ」
「すまない」
フィブロが、頭を下げながら言った。
「ええ、本当に」
レアリルも、フィブロとおなじく、頭を下げた。
「気にしないで」
頼もしくラズが言った。
「ラビルの居場所さえわかれば、あとは私たちだけで、うまくやってみせるわ」
「そう、なら安心だわ」
リチアがそう言った。
「じゃあ、ラズ、ネルーピー、スピロル。三人とも、幸運を祈っているわ」
こうして、ラズは、親切な人魚のリチアたちと別れ、ネルーピーやスピロルと一緒に、ラビルの捕まっている、ポセイドンの石像が置かれている海を目指して、大至急、ボートを進ませた。
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