ラズとリドの大冒険

大森かおり

文字の大きさ
上 下
192 / 387

22

しおりを挟む
 待ったかいがあったと、よろこびながら、ラズが言った。
「みんな、こちらが、私が話していた三人よ」
 リチアが、長老たち人魚に向かって、そう言った。
 目の前にいる、長髪で白髪の長老は、開けているのか閉じているのかわからないくらいの細い目で、ラズたちをしずかに、にっこりと笑いながら、見つめていた。
「はじめまして、こんにちは。僕はフィブロです」
 いまだに長老を支えている、たくましそうな、好青年の印象を持つフィブロが、しっかりとした口調で、そう言った。
「こんにちは。私はレアリルです」
 フィブロに続いて、レアリルが、礼儀正しく言った。
「みなさんのお話は聞いています。私たちでよければ、ぜひ、イルカのラビルを探す、お手伝いをさせてください」
「まあ、初対面なのに、こんなに親切にしていただいて、私、本当になんてお礼を言ったらいいか……」
 ラズが二人の、あまりに親切な態度に、感動しながら言った。
「いいの、気にしないで」
 感じよく、レアリルが言った。
「私たちが、好きでやっていることだから」
「レアリルのいうとおりだ」
 フィブロが言った。
「そんなの、して当たり前のことだから、気にしないでくれ」
 そのあとリチアたちは、三人で力を合わせて、支えていた長老を、岩の上に座らせた。岩の上には、長老が座っても大丈夫なように、フィブロが片手に持っていた、柔らかそうな椅子が置かれていた。
「さて、長老。これで準備が整ったことだし、早速、ラビルがどこにいるか、第三の目で見て、この人たちに、教えてやってくれ」
 フィブロが、長老を見ながら、そううながした。
「ああ、わかっているよ……」
 長老が、なんとも弱々しい、しわがれた声で言った。
「ところで、あんたが、リチアの言っていた、ラビルのボーイフレンド、イルカのスピロルかい?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

ローズお姉さまのドレス

有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。 いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。 話し方もお姉さまそっくり。 わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。 表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

かつて聖女は悪女と呼ばれていた

楪巴 (ゆずりは)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」 この聖女、悪女よりもタチが悪い!? 悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!! 聖女が華麗にざまぁします♪ ※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨ ※ 悪女視点と聖女視点があります。 ※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

忠犬ハジッコ

SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。 「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。 ※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、  今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。  お楽しみいただければうれしいです。

盲目魔女さんに拾われた双子姉妹は恩返しをするそうです。

桐山一茶
児童書・童話
雨が降り注ぐ夜の山に、捨てられてしまった双子の姉妹が居ました。 山の中には恐ろしい魔物が出るので、幼い少女の力では山の中で生きていく事なんか出来ません。 そんな中、双子姉妹の目の前に全身黒ずくめの女の人が現れました。 するとその人は優しい声で言いました。 「私は目が見えません。だから手を繋ぎましょう」 その言葉をきっかけに、3人は仲良く暮らし始めたそうなのですが――。 (この作品はほぼ毎日更新です)

処理中です...