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待ったかいがあったと、よろこびながら、ラズが言った。
「みんな、こちらが、私が話していた三人よ」
リチアが、長老たち人魚に向かって、そう言った。
目の前にいる、長髪で白髪の長老は、開けているのか閉じているのかわからないくらいの細い目で、ラズたちをしずかに、にっこりと笑いながら、見つめていた。
「はじめまして、こんにちは。僕はフィブロです」
いまだに長老を支えている、たくましそうな、好青年の印象を持つフィブロが、しっかりとした口調で、そう言った。
「こんにちは。私はレアリルです」
フィブロに続いて、レアリルが、礼儀正しく言った。
「みなさんのお話は聞いています。私たちでよければ、ぜひ、イルカのラビルを探す、お手伝いをさせてください」
「まあ、初対面なのに、こんなに親切にしていただいて、私、本当になんてお礼を言ったらいいか……」
ラズが二人の、あまりに親切な態度に、感動しながら言った。
「いいの、気にしないで」
感じよく、レアリルが言った。
「私たちが、好きでやっていることだから」
「レアリルのいうとおりだ」
フィブロが言った。
「そんなの、して当たり前のことだから、気にしないでくれ」
そのあとリチアたちは、三人で力を合わせて、支えていた長老を、岩の上に座らせた。岩の上には、長老が座っても大丈夫なように、フィブロが片手に持っていた、柔らかそうな椅子が置かれていた。
「さて、長老。これで準備が整ったことだし、早速、ラビルがどこにいるか、第三の目で見て、この人たちに、教えてやってくれ」
フィブロが、長老を見ながら、そううながした。
「ああ、わかっているよ……」
長老が、なんとも弱々しい、しわがれた声で言った。
「ところで、あんたが、リチアの言っていた、ラビルのボーイフレンド、イルカのスピロルかい?」
「みんな、こちらが、私が話していた三人よ」
リチアが、長老たち人魚に向かって、そう言った。
目の前にいる、長髪で白髪の長老は、開けているのか閉じているのかわからないくらいの細い目で、ラズたちをしずかに、にっこりと笑いながら、見つめていた。
「はじめまして、こんにちは。僕はフィブロです」
いまだに長老を支えている、たくましそうな、好青年の印象を持つフィブロが、しっかりとした口調で、そう言った。
「こんにちは。私はレアリルです」
フィブロに続いて、レアリルが、礼儀正しく言った。
「みなさんのお話は聞いています。私たちでよければ、ぜひ、イルカのラビルを探す、お手伝いをさせてください」
「まあ、初対面なのに、こんなに親切にしていただいて、私、本当になんてお礼を言ったらいいか……」
ラズが二人の、あまりに親切な態度に、感動しながら言った。
「いいの、気にしないで」
感じよく、レアリルが言った。
「私たちが、好きでやっていることだから」
「レアリルのいうとおりだ」
フィブロが言った。
「そんなの、して当たり前のことだから、気にしないでくれ」
そのあとリチアたちは、三人で力を合わせて、支えていた長老を、岩の上に座らせた。岩の上には、長老が座っても大丈夫なように、フィブロが片手に持っていた、柔らかそうな椅子が置かれていた。
「さて、長老。これで準備が整ったことだし、早速、ラビルがどこにいるか、第三の目で見て、この人たちに、教えてやってくれ」
フィブロが、長老を見ながら、そううながした。
「ああ、わかっているよ……」
長老が、なんとも弱々しい、しわがれた声で言った。
「ところで、あんたが、リチアの言っていた、ラビルのボーイフレンド、イルカのスピロルかい?」
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