ラズとリドの大冒険

大森かおり

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 ボートを出してからしばらくたって、ラズがオールをこぎながら、あたりをキョロキョロと探しながら言った。
「もう市場が見えないくらい、遠いところまできちゃったよ。大丈夫? 僕たち、ちゃんとリドたちがいる船に、もどれるの?」
 不安そうな顔をしながら、ネルーピーが言った。
「もどれるわよ。あまり不安にさせないで、ネルーピー」
 自分の心を落ち着かせながら、ラズが言った。
「いまはそれよりも、ラビルを探すことの方が大切よ」
 しかし、この時もうすでに、一時間は探していたにもかかわらず、ラビルの姿は、いっこうに見当たらなかった。
 その、ラズたちが乗っているボートのとなりで泳いでいるスピロルも、ラズたちとおなじく、そわそわと不安を感じているようだった。その証拠に、スピロルは、海をまっすぐ泳がずに、ジグザグと、不安定な動きをしながら、泳いでいるようだった。
 そう言ったことがあって、ラズたちの不安は解消されることなく、どんどんつのっていくばかりだった。
 そんな時、
「あっ! 見て! あそこになにか、いるよ!」と、ネルーピーが、なにかを見つけて、前足で指をさしながら、そう声を上げた。
 それと同時に、なにやら、いまにも眠ってしまいそうなくらいの、心地のよいハープの音色が、あたりいったいに聞こえてきた。
「なに? なにがいるの?」
 ラズは急いで、ネルーピーが指さした場所の周辺を見た。
「ほら、あそこだよ! よく見て。どうやら向こうに、きれいな女の人がいるみたいだ」
 興奮した様子で、ネルーピーが言った。
 するとそこには、上半身しか見えない後ろ姿の、ハリつやのある美しいプラチナブロンドの髪を持った、肌の白い一人の女の人が、大きな岩の上で、後ろ姿でもわかるくらい慣れた手つきで、ハープを弾きながら、優雅に横座りをしていた。
「まあ、本当だわ」
 目を見張りながら、ラズが言った。
「きれいね」
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