ラズとリドの大冒険

大森かおり

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「いいえ、ないわ」
 ラズが否定した。
「ただ、少し驚いただけよ」
「そうだ、ラズ」
 突然、なにかをひらめいたのか、リドが言った。
「お前に、いいことを教えてやるよ」
「なあに?」
 ラズが尋ねた。
「実は、このリペール島では、一週間に一度だけ、昼過ぎになったら、みんな島に上がって、集まることになっているんだよ」
 リドが、船から見える島を、手で指し示しながら、そう言った。
「そしたら、歌ったり踊ったり、それぞれが楽しく、好きなことをするんだ」
「へえ、そうなの。なんだか、とても楽しそうね」
 ワクワクしながら、ラズがそう言った。
「だろ?」
 そうこなくっちゃ、とでもいうように、リドは、ラズに共感を求めた。
「それで、今朝は、ここらにある店とか、仕事があったせいで、ラズに案内してやれなかっただろ? でも、もうその仕事も、ひと段落したことだし、そのお詫びとして、さ。ラズ、よかったら、俺と一緒に、島に上がらないか?」
 少し照れた様子で、リドが誘うと、
「あら、それはぜひ、一緒に行きたいものだわ」と、ラズが乗った。 
「そりゃよかった」
 喜びながら、リドが言った。
「じゃあ、昼を食べたら、早速ボートに乗って、島に上がろう!」
 それから、ラズとリドの二人は、仕事を早々に終えて、昼食を食べ終えると、ボートに乗り込んだ。そして、人がたくさんいるにぎやかな島に向かって、オールをこいで、ボートを出発させた。
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