ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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6 乙葉大ピンチ

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「だからダメだって」
 あきらめるように、はっきりと乙葉が言った。
「いいから」
 それでも京一はめげずに、乙葉から鍵をうばい、強引に鍵穴に鍵をさしこんだ。
 ガチャガチャ、ギシギシ、と音を立てながら、何度か鍵をまわしたが、やはりダメなことがわかり、京一はがっくりとうなだれた。
「くそ……これが最後の頼みのつなだったのに」
 その様子を見ていた他の四人は、京一につられるようにして気を落とした。
 そんな時、乙葉が、
「そうだわ! ねえ、ルーカス。あなたなら、本物の鍵がどこにあるか、本当は知っているんでしょ?」と、すがるように尋ねた。
「もういい加減、私たちに教えてよ」
 ルーカスは微妙そうな顔をすると、
「わざわざ答えを僕がいわなくても、ここまできたら、本物の鍵がどこにあるかなんて、消去法で考えれば、わかるはずだけどね」と言った。
「——ということは、残るはやはりあの城か」
 京一があごに手をやりながら、眉をひそめて言った。
「ついに、最終手段を使わないといけなくなったということですよね」
 久遠が言った。
 乙葉はこの時、あの城だけは、最後までけていたかった、と心の中で思った。
「ねえ、城にはあの危険なバーサークがいるのよ? バーサークがいる城なんて、私は絶対に入りたくないわ」
 いやそうに柚子が言った。
「でも、柚子さん。城にいかないと、永遠に外には出られないんですよ」
 つらそうな顔をして、久遠が言った。
「それはそうだけど……もう! 必ずジェットコースターにはあると思ってたのにー!」
 柚子はどうにもならない状況を前にして、自分の気持ちをおさえきれず、とうとう癇癪かんしゃくを起こしたようだった。
「誰よ、こんな子供だましみたいなことを考えたやつは!」
「落ち着いて、柚子」
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