ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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6 乙葉大ピンチ

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 久遠は思わず息を呑んだ。
「それ、本当ですか?」
『ああ、多分な』
 ボタンについてはそれほど自信がないのか、京一がにごした。
 それを聞いた久遠は、途端に不安になり、
「レールの上じゃなくて、ほかの場所が爆発したり、なんてことないですよね?」と、おそれながら尋ねた。
「たとえば、僕のいる操作室とか」
『いや、それにかんしては心配するな』
 京一が断言した。
『たしか、下に棚があっただろう? ちょっと見てくれないか』
「え? 棚の中になにがあるんですか? それに、僕はすでに棚の中を見ましたけど、なにもなかったですよ」
『まあ開けてみろよ』
 強引に京一が言った。
「そんなにいうなら、はい……」
 しぶしぶ、久遠は京一に言われたとおり、もう一度、操作台の下にある棚の、両開き扉を開けた。すると、中は空っぽで、やはりなにもなかった。しかし、見落としていたのか、隅の方に線で繋がれた、謎の四角い機械が見つかった。久遠はすぐに、
「なにか四角い機械がひとつありますけど、別にそれは関係ないですよね?」と、京一に言った。
『いや、その装置が重要なんだ』
 京一が言った。
『それは爆発物でまちがいない。俺たちが鍵を探す前、久遠が車両を止めていなければ、操作室もろとも爆発するはずだったものだ』
「ええっ? そんな危険なもの、いつの間に見つけていたんですか……」
 久遠は驚愕きょうがくしながら言った。
『久遠が止めたあと、棚の中から機械の動く音が聞こえたんだ。それで、見てみたらそれがあって、爆発する装置だと気づいた』
「そうだったんですね」
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