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6 乙葉大ピンチ
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その頃、乙葉の乗るジェットコースターは、頂上付近に近づいていた。ガタガタと小刻みに音を立てて、ゆっくりとのぼっていく中、乙葉はなにが起こるかわからない緊張感から、はげしい動悸がしていた。
(どうか、なにも変なことが起こりませんように)
乙葉は頭の中で、自分の無事を願った。
やがて、ジェットコースターが頂上にたどり着くと、U字型のカーブがあらわれた。車両はカーブに沿って、不気味なくらいゆったりと曲がっていく。
「くるわよ……次は急な下り坂ね……」
胸がはちきれそうなくらいに、ドキドキが止まらない。
待ち受ける下り坂にたいして、乙葉はしばらく、念入りに心の準備をした。
(くる、くる、くる……!)
そして、胸が一瞬ふわっと浮いたと思うと同時に、ついに車両は、ものすごい勢いで降下していった。
「キャーーーーーーー!!!」
乙葉はすさまじい叫び声を上げた。
髪の毛がすべて後ろにいって、顔が丸出しになり、目をつむったまま、強烈な向かい風に耐えるように、前のめりになった。
「楽しみたいけど、こんな状況で楽しめるわけないー!」
空に向かって、唇を風で震わせながら、乙葉は大声で不満を叫んだ。
すると、すぐにまた上り坂にさしかかったと思うと、ふたたび車両は真っ逆さまに下っていった。
「もういやーーーーー!」
このままだと、ずっと大好きだったジェットコースターのことを、いよいよきらいになってしまいそうだと、乙葉は心からそう思った。
♢♢♢
(どうか、なにも変なことが起こりませんように)
乙葉は頭の中で、自分の無事を願った。
やがて、ジェットコースターが頂上にたどり着くと、U字型のカーブがあらわれた。車両はカーブに沿って、不気味なくらいゆったりと曲がっていく。
「くるわよ……次は急な下り坂ね……」
胸がはちきれそうなくらいに、ドキドキが止まらない。
待ち受ける下り坂にたいして、乙葉はしばらく、念入りに心の準備をした。
(くる、くる、くる……!)
そして、胸が一瞬ふわっと浮いたと思うと同時に、ついに車両は、ものすごい勢いで降下していった。
「キャーーーーーーー!!!」
乙葉はすさまじい叫び声を上げた。
髪の毛がすべて後ろにいって、顔が丸出しになり、目をつむったまま、強烈な向かい風に耐えるように、前のめりになった。
「楽しみたいけど、こんな状況で楽しめるわけないー!」
空に向かって、唇を風で震わせながら、乙葉は大声で不満を叫んだ。
すると、すぐにまた上り坂にさしかかったと思うと、ふたたび車両は真っ逆さまに下っていった。
「もういやーーーーー!」
このままだと、ずっと大好きだったジェットコースターのことを、いよいよきらいになってしまいそうだと、乙葉は心からそう思った。
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