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5 地獄行きジェットコースター
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「大丈夫かな、私たち」
この世の終わりのような顔をした、柚子が言った。
「しっ! だまって、柚子」
口に人さし指を当てた乙葉が、柚子を制した。
「久遠くんの集中が切れちゃう」
「ごめん」
ほぼ口パクのような小声で、柚子があやまった。
やがて、時がきたとでもいうように、久遠がまるくて大きめの赤いボタンを押した。すると、ジェットコースターはブレーキがかけられたまま、乙葉たちの元へやってきた。
「見て! 戻ってきたわ!」
柚子が言った。
乙葉は両手を組みながら、ジェットコースターが止まることを祈った。
乗り物は徐々に、スピードを落としていく。
久遠を見ると、汗を流しながら、モニターを見て操作を続けていた。
どうなるのかハラハラしながら見ていると、ジェットコースターは、見事に乗り場で停止した。それから時間がいくらか経過しても、二度と動くことはなかった。
「よくやった、久遠」
京一が褒めた。
「よかったあ」
柚子はその場にくずれるように、へたり込んだ。
「助かった……」
「すごい久遠くん! どうしてこんなに上手く操作できたの?」
興奮した乙葉が聞いた。
「いやあ、勘でやってみただけですよ。それに、多分僕、しなくてもいいのに、よけいな操作もかなりしていたと思いますよ。だから、あまり褒めないでください。調子に乗っちゃいますから」
久遠自身も、乗り物をきちんと止められたことにたいして、おどろいているように見えた。
「勘でもすごいわ! それに、すこしくらい調子に乗ってもいいのよ。だって、本当に立派だったもの」
この世の終わりのような顔をした、柚子が言った。
「しっ! だまって、柚子」
口に人さし指を当てた乙葉が、柚子を制した。
「久遠くんの集中が切れちゃう」
「ごめん」
ほぼ口パクのような小声で、柚子があやまった。
やがて、時がきたとでもいうように、久遠がまるくて大きめの赤いボタンを押した。すると、ジェットコースターはブレーキがかけられたまま、乙葉たちの元へやってきた。
「見て! 戻ってきたわ!」
柚子が言った。
乙葉は両手を組みながら、ジェットコースターが止まることを祈った。
乗り物は徐々に、スピードを落としていく。
久遠を見ると、汗を流しながら、モニターを見て操作を続けていた。
どうなるのかハラハラしながら見ていると、ジェットコースターは、見事に乗り場で停止した。それから時間がいくらか経過しても、二度と動くことはなかった。
「よくやった、久遠」
京一が褒めた。
「よかったあ」
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「助かった……」
「すごい久遠くん! どうしてこんなに上手く操作できたの?」
興奮した乙葉が聞いた。
「いやあ、勘でやってみただけですよ。それに、多分僕、しなくてもいいのに、よけいな操作もかなりしていたと思いますよ。だから、あまり褒めないでください。調子に乗っちゃいますから」
久遠自身も、乗り物をきちんと止められたことにたいして、おどろいているように見えた。
「勘でもすごいわ! それに、すこしくらい調子に乗ってもいいのよ。だって、本当に立派だったもの」
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