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5 地獄行きジェットコースター
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そう言い出した柚子は、久遠に操作させるのは、絶対に反対のようだ。
「久遠、お前にできるのか?」
冷静に京一が尋ねた。
「わかりません。でも、やらせてください」
たしかな声で久遠が言った。
この非常事態の中で、久遠はついに、まともな判断力を失ってしまったのではないかと思われたが、態度は落ち着いているし、どうやら正常に見える。しかし、どうしてそこまでやりたがるのか、乙葉にはわけがわからなかった。ただ、いままでみんなで鍵探しを懸命に頑張ってきたのに、ここにきて四人全員が死ぬ、という結末だけは本当に勘弁してほしいと思った。
「……まあ、ここで誰もなにもしないで死ぬよりかはマシか」
京一は考えた末に、そう答えを出したようだった。
「やってみろよ」
久遠の目をまっすぐに見据えて、京一が言った。
久遠はうなずくと、
「わかりました」と、はっきり返事をした。
「ええ⁉︎」
心配そうな、なんとも言いづらい顔で、柚子が言った。
「本気で言ってる? 京一くん」
「俺は本気だ。それとも、柚子がかわりに操作するか?」
チラッと柚子を見て、京一が尋ねた。
「いや、私は遠慮しておくわ……」
さきほどまでの威勢のよさがなくなり、急に弱々しくなった柚子が言った。
「それなら、久遠で決定だな」
京一が言った。
これまで何度も、自分たちの横にあるレールの上をとおりすぎては、止まらずに進んでいたジェットコースター。このジェットコースターを止めるために、久遠がみずから名乗り出た。下手にボタンを押せばなにが起こるかわからない、この奇妙な遊園地の中にある、ジェットコースターの操作台。
そんな危険な操作台の前の椅子で、一人座った久遠のまわりに、ほかの三人が取り囲むようにして立った。
「久遠、お前にできるのか?」
冷静に京一が尋ねた。
「わかりません。でも、やらせてください」
たしかな声で久遠が言った。
この非常事態の中で、久遠はついに、まともな判断力を失ってしまったのではないかと思われたが、態度は落ち着いているし、どうやら正常に見える。しかし、どうしてそこまでやりたがるのか、乙葉にはわけがわからなかった。ただ、いままでみんなで鍵探しを懸命に頑張ってきたのに、ここにきて四人全員が死ぬ、という結末だけは本当に勘弁してほしいと思った。
「……まあ、ここで誰もなにもしないで死ぬよりかはマシか」
京一は考えた末に、そう答えを出したようだった。
「やってみろよ」
久遠の目をまっすぐに見据えて、京一が言った。
久遠はうなずくと、
「わかりました」と、はっきり返事をした。
「ええ⁉︎」
心配そうな、なんとも言いづらい顔で、柚子が言った。
「本気で言ってる? 京一くん」
「俺は本気だ。それとも、柚子がかわりに操作するか?」
チラッと柚子を見て、京一が尋ねた。
「いや、私は遠慮しておくわ……」
さきほどまでの威勢のよさがなくなり、急に弱々しくなった柚子が言った。
「それなら、久遠で決定だな」
京一が言った。
これまで何度も、自分たちの横にあるレールの上をとおりすぎては、止まらずに進んでいたジェットコースター。このジェットコースターを止めるために、久遠がみずから名乗り出た。下手にボタンを押せばなにが起こるかわからない、この奇妙な遊園地の中にある、ジェットコースターの操作台。
そんな危険な操作台の前の椅子で、一人座った久遠のまわりに、ほかの三人が取り囲むようにして立った。
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