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5 地獄行きジェットコースター
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「それは、まあ、たしかに」
柚子は妙に納得した顔をした。
「そうだ。だからいまさら、なにを言ってるんだっていう話だよ」
京一が言った。
「そうそう、二人の言うとおり。別に心配しなくても大丈夫よ、柚子」
楽観的になって、乙葉が言った。
「わかったわ。取り乱してごめんなさい」
素直に柚子が謝った。
やっとのことで四人が階段を上りきると、目の前には番号が書かれた鉄の仕切りと、ジェットコースターのない空っぽのレールだけがあらわれた。てっきり、乗り物の中をすぐに探せるとばかり思っていた乙葉は、思わず拍子抜けした。ジェットコースターのないレールなんて、イチゴの乗っていないショートケーキみたいなものだ。
「どうして、乗り物がひとつもないんだろう」
乙葉が不思議に思って言った。
「ねえ、見て! あの扉の向こうにあるかもしれないわよ!」
乗り場の突き当たりにある扉を指さして、柚子が言った。
「そうだな、いってみよう」
京一が言った。
四人が扉の前に移動したあと、早速、乙葉が扉を開けた。すると、中はほとんど空っぽで、短いレールだけがぽつんとさみしく、ただ置かれてあるだけだった。
「ここにもない」
残念に思いながら乙葉が言った。
「うーん、なんか変ですね」
突然、久遠が首をかしげながら言った。
「普通なら予備として、車両が何台か置かれていてもいいはずなんですけどね。まあ、場所によっては、一台しか置いていないところも当然あるでしょうけど、これだけ立派なジェットコースターなら、ほかにあってもおかしくないと思うんだけどな」
その時、飛行機が上空を飛んでいるような、ゴーッというとどろきがしたと同時に、乙葉たちの体に、強風が吹きつけた。
柚子は妙に納得した顔をした。
「そうだ。だからいまさら、なにを言ってるんだっていう話だよ」
京一が言った。
「そうそう、二人の言うとおり。別に心配しなくても大丈夫よ、柚子」
楽観的になって、乙葉が言った。
「わかったわ。取り乱してごめんなさい」
素直に柚子が謝った。
やっとのことで四人が階段を上りきると、目の前には番号が書かれた鉄の仕切りと、ジェットコースターのない空っぽのレールだけがあらわれた。てっきり、乗り物の中をすぐに探せるとばかり思っていた乙葉は、思わず拍子抜けした。ジェットコースターのないレールなんて、イチゴの乗っていないショートケーキみたいなものだ。
「どうして、乗り物がひとつもないんだろう」
乙葉が不思議に思って言った。
「ねえ、見て! あの扉の向こうにあるかもしれないわよ!」
乗り場の突き当たりにある扉を指さして、柚子が言った。
「そうだな、いってみよう」
京一が言った。
四人が扉の前に移動したあと、早速、乙葉が扉を開けた。すると、中はほとんど空っぽで、短いレールだけがぽつんとさみしく、ただ置かれてあるだけだった。
「ここにもない」
残念に思いながら乙葉が言った。
「うーん、なんか変ですね」
突然、久遠が首をかしげながら言った。
「普通なら予備として、車両が何台か置かれていてもいいはずなんですけどね。まあ、場所によっては、一台しか置いていないところも当然あるでしょうけど、これだけ立派なジェットコースターなら、ほかにあってもおかしくないと思うんだけどな」
その時、飛行機が上空を飛んでいるような、ゴーッというとどろきがしたと同時に、乙葉たちの体に、強風が吹きつけた。
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