ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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5 地獄行きジェットコースター

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 そうなってほしいという願望を込めて、乙葉が言った。
「きっとなっていますよ」
 励ますように、久遠が言った。
「それと、ルーカスさんのことだけじゃなくて、内田さんが言っていた、お楽しみっていうのも、かなり気になりませんか?」
「たしかに、そうですよね。内田さん、小屋に残って一体、なにをするつもりだろう」
 柚子がいぶかりながら、そう言った。
 久遠と柚子は、内田に興味津々のようだ。
「でもさ、小屋に引きこもっていても、やることなんてなにもないわよね」
 そうに決まっている、というような顔をして、柚子が言った。
「内田さんには内田さんなりの、考えがあるんだ」
 京一が言った。
 またもや京一は、バイト先の先輩である、内田をかばった。京一は本当に内田のこととなると、どうしてかいつもの厳しい京一らしくなくなる。きっと単純に、いつもお世話になっている先輩だから、恩返しをしているつもりにちがいない。それが京一なりの、武道を志す者としての、考えなのかもしれない。
 みんなや自分にも、内田とおなじくらい優しくしてくれたらいいのに、と乙葉は内田にすこし嫉妬しながら、そう思った。
 そうして話をしながら歩いているうちに、あっという間に、四人はジェットコースターの乗り場にたどり着いた。
 建物の入り口には、デカデカとした派手な看板があり、『サードフェニックス』と書かれていた。入り口の横には、身長制限の看板が置かれていて、見ると、百十センチ以上で利用可能とあった。
(ルーカスがギリギリ乗れるくらいの身長だわ)
 ほかにもなにかないかと探していると、今度は壁に取りつけられている、白いプレート看板に目を引かれた。よく見ると、そこには説明が書かれてあった。乙葉は早速、その看板に近づいて読んでみることにした。

 コースの全長は約二千メートル。最高速度は百三十キロ。世界でもまれに見るジェットコースターである。
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