ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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4 財宝強盗

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 いまは真夜中の二時。園内は昼間と変わらず乗り物が動き、にぎやかな音楽が鳴り響いている。
 三人がいる場所は噴水の広場の近くで、小屋から逃げている途中だったが、四郎によってひとまずここで立ち止まり、どこに財宝があるのか考えをこらすことになった。
 その時、銀司が遠くでなにかが動くのを見て、目を見開かせると、
「おい、あそこに誰かいるぞ!」と大声で言って、人影を指さした。
「なに?」
 権太は銀司が指さした方向を見て、眉をしかめながら言った。
「ここにいるのは、ガキどもだけじゃなかったのか?」
 三人は向かってくる人影に対して、目をこらしながらよく見た。
 それで思わず驚愕した四郎は、
「なあ、おい……見ろよ、二人とも。あいつ、でっかいハンマーなんて持ってるぞ!」と言った。
「まじかよ、やべえ!」
 これはただ事ではないと思った銀司が、深刻な表情で呟いた。
「見つからないうちに、はやいとこ逃げようぜ」
「あの建物だ! ひとまずあそこに逃げ込むぞ!」
 権太が示した場所はカフェだった。恐怖で我を忘れたようになった三人は、一目散にカフェに逃げ込んだ。
 カフェに入るなり、三人の中で、もっとも気が動転していた四郎が、まっさきに厨房にいった。
「お、俺はここに隠れる!」
 四郎はそう言うと、人が一人ようやく入れるほどの棚の中に慌てて入り、姿を消した。
「チッ、四郎のやつ、まっさきに自分だけ、いい場所を見つけて隠れやがって」
 四郎の様子を見ていた銀司が、舌打ちをしてから文句を言った。
 その間、権太は必死になって、四郎とおなじように隠れる場所を探していた。しかし、図体が大きいせいでどこにも入れる棚がなく、仕方ないと言った様子で、厨房のシンクとシンクの間に、息を潜めて隠れることにしたようだった。
「俺もはやく隠れねえと……」
 最後に残った銀司は、まわりをじっくりと見まわした。見つかりづらい厨房はあの二人が入っているからあきらめて、一か八か、見つかるかどうか定かではないが、ホールにあった掃除用ロッカーの中に入ることにした。
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