ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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4 財宝強盗

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「あんな遊園地のど真ん中にある噴水なんかで風呂に入ってたら、どうぞ見てくださいとでも、言ってるようなもんじゃねーか」
 言い終わった瞬間、どこからか、大きなまきが、銀司を目がけて飛んできた。薪は見事に、銀司の頭に命中し、銀司はそのはずみで顔が天井に向いた。それからすぐに正面を向いたかと思えば、銀司の顔は、痛いのかものすごくしかめ面になっていた。
「ってえー……おい! なんて物投げるんだよ!」
 銀司が怒鳴った。
 乙葉は薪が飛んできた方向を見ると、いつの間にか、柚子が暖炉のそばに立っている姿が目に入った。
 柚子は自業自得だというような顔をして、パン、パンと手を叩くと、
「ふんっ」と言って、銀司から顔をそむけた。
「当然の報いよ」
 銀司はくやしそうな顔をして柚子を見ると、
「なんだと⁉︎」と言った。
 そんな銀司がすこし不憫に思えた乙葉は、
「まあ、私たちも私たちで、危機感がなかったと言えるかもね……」と、苦笑しながら言った。
「もう、だから言ったでしょ、お姉ちゃん。外のあんな目立つところでお風呂に入ったら、人に裸を見られるかもしれないって」
 乙葉を見て、柚子がケンカをふっかけるように言った。
「やっぱり、私のいうとおりだったじゃない」
「あのねえ、柚子。前にも言ったけど……まあ、いまはいいわ。その話にかんしては、ひとまず置いておきましょう。それより、あなたたち、園内のあちこちで、ゴミのポイ捨てもしていたのよね?」
 話を進めるために、柚子のいうことは聞かなかったことにして、乙葉が確認した。
「はい、してました」
 四郎が呆気なく白状した。
 それを聞いた乙葉は、とっさに腕組みをやめて、
「本当に仕方がない人たちね」と言いながら、肩をすくめた。
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