ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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4 財宝強盗

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 そう思った乙葉は、鏡と小屋の中を、交互に見ることにした。
「あいつら悪者だね」
 緊迫したムードの中、ふいにルーカスが発した。
「ええ、残念ながらそうみたいね」
 乙葉が、ことの成り行きを見守りながら、そう言った。
「それにしても、ここにいるのは、ガキばっかりみたいだな」
 小屋の外にいる乙葉たちを、あらためて見て、男がひややかにそう言った。
「まあ、それはいいが」
 男は、乙葉たちから、京一に視線をうつした。
「そこのお前、俺たちに知っていることをすべて教えろ。でないと、こいつを痛い目にあわせるぞ」
 言われた久遠は首を左右に振り、勇敢にも、言っちゃ駄目だと伝えようとしているのが見てわかった。
「お前たちの知りたいことはなんだ?」
 京一が落ち着いた口調で言った。
「財宝の在り処を教えろ」
 男が言った。
「財宝の在り処?」
 考えるように京一が聞き返した。
 その時、乙葉は財宝と聞いて、さきほどの隠し部屋のことを思い出し、ハッとした。
「そうだ。この遊園地に財宝が隠されていることは、もちろん知っているんだろ?」
 男が胸をそびやかし、高慢ちきに言った。
「だから、お前たちもそれが目当てで、ここにきたと思っているが、ちがうか?」
「いや、俺たちは別の目的でここにきた」
 おくせず、まっすぐに男を見据えて、京一が言った。
「嘘つけ。でなきゃ、なんでこんな場所にくる必要がある」
 男は目を細めて、うたがっている。
「嘘なわけあるか、本当だ」
 はっきりと京一が言った。
 それを聞いた男は舌打ちをすると、
「まあいい。それよりも財宝のある場所だ」と言った。
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