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4 財宝強盗
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(本当にこんな人が、盗みなんてするのかしら……)
最初は内田のことを犯人だと思い込んで、むしろそうとしか思えなかった乙葉だったが、いまではこんなに優しそうで穏やかな人が、自分たちの大事な食料を、だまって盗んだ犯人だとは、とても思えなくなっていた。それに、この人は、なんだかどこかで見覚えがある。
「俺のバイト先の先輩だよ。大学生の」
にべもなく京一が言った。
「バイト先の先輩って……あのコンビニの?」
意外に思った乙葉は、目を丸くしながら聞いた。
「そこ以外どこがあるんだよ。俺は一つしかバイトしてないぞ」
呆れたように京一が言った。
「どうりで! 言われてみれば、どこかで見たことがあると思ったんだわ」
手のひらの上にこぶしを置き、納得して乙葉が言った。
「それで、なんでその先輩がここにいるの?」
「さあな」
京一は肩をすくめた。
「俺たちだって、さっき倉庫で会ったばかりなんだ。だから、こっちが知りたいくらいだよ」
「そうなのね……」
呆気にとられながら乙葉が言った。
「それじゃ、本物の犯人はどこにいるわけ?」
「まだ見つかっていない」
そう言う京一は、くやしそうな顔を浮かべている。
乙葉はそんな京一にひっそりと近づくと、
「じゃあやっぱり、内田さんが犯人なんじゃないの?」と、内田に聞こえないように、耳元でそっとささやいた。
「やめろ、内田さんをうたがうな。内田さんはそういうことをする人じゃない」
きっぱりと京一が言った。
「俺は普段かかわっているから、内田さんのことがよくわかるんだ」
「でも、ほかに犯人は見つかってないし、内田さんがきてから食べ物がなくなったのよ。内田さんが犯人かもしれないじゃない」
最初は内田のことを犯人だと思い込んで、むしろそうとしか思えなかった乙葉だったが、いまではこんなに優しそうで穏やかな人が、自分たちの大事な食料を、だまって盗んだ犯人だとは、とても思えなくなっていた。それに、この人は、なんだかどこかで見覚えがある。
「俺のバイト先の先輩だよ。大学生の」
にべもなく京一が言った。
「バイト先の先輩って……あのコンビニの?」
意外に思った乙葉は、目を丸くしながら聞いた。
「そこ以外どこがあるんだよ。俺は一つしかバイトしてないぞ」
呆れたように京一が言った。
「どうりで! 言われてみれば、どこかで見たことがあると思ったんだわ」
手のひらの上にこぶしを置き、納得して乙葉が言った。
「それで、なんでその先輩がここにいるの?」
「さあな」
京一は肩をすくめた。
「俺たちだって、さっき倉庫で会ったばかりなんだ。だから、こっちが知りたいくらいだよ」
「そうなのね……」
呆気にとられながら乙葉が言った。
「それじゃ、本物の犯人はどこにいるわけ?」
「まだ見つかっていない」
そう言う京一は、くやしそうな顔を浮かべている。
乙葉はそんな京一にひっそりと近づくと、
「じゃあやっぱり、内田さんが犯人なんじゃないの?」と、内田に聞こえないように、耳元でそっとささやいた。
「やめろ、内田さんをうたがうな。内田さんはそういうことをする人じゃない」
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