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3 隠し部屋
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「開けー!」
気合いを入れつつ、乙葉は、全力で扉を引いた。
やがて、扉がギシギシと鳴り、にぶい動きで、少しずつ動いていった。
扉を開けはじめて四十分。ようやく扉に、人一人分入れるくらいの隙間ができた。
「やっと、入れる……」
地面に尻をついた乙葉は、扉を開けることに疲れ、もはや放心状態になっていた。
その時、ちょうどいいタイミングで、となりで寝ていたルーカスが起き出し、
「うーん……」と、うなった。
「乙葉、おはよう。扉は開いた?」
あまりにのんきな態度のルーカスを見て、乙葉は呆れと怒りのこもった顔を浮かべながら、
「おはようじゃないわよ」と言った。
「あ、開いてる!」
ついさきほど、乙葉が開けたばかりの扉を見て、うれしそうにルーカスが言った。
「やったね、これで剣が見られる」
「もー、自分も協力したみたいに言わないでよ。ルーカスが参加したのは、最初だけで、あとはほとんど、私一人でやったんだから」
首をたれさせながらも、釣り上げた目でルーカスを見た乙葉が、不平を言った。
「わかってるよ」
そう言うと、ルーカスは飛んで空中に浮かび、天井に向かって、思いきり伸びをした。
「あー、それにしてもよく寝たな。それじゃ、中に入ろっか」
ルーカスがうながした。
本当にわかっているのか定かではなかったが、長い時間をかけて乙葉が作った、扉のせまい隙間から、二人は中に入った。
その途端、室内の奥の方から、ひややかな空気が流れた。それで乙葉とルーカスのふたりは、途端に身震いした。
まわりを見ても、室内の中は真っ暗だった。ふたりの後ろから射し込む、頼りない通路の光だけが、中を照らしていたが、そこ以外はなにも見えなかった。それに、聞こえてくるのは二人が鳴らす足音だけで、なんだかとても不気味に感じた。
「ルーカス、電気はどこ?」
周囲を見まわしながら、乙葉が言った。
気合いを入れつつ、乙葉は、全力で扉を引いた。
やがて、扉がギシギシと鳴り、にぶい動きで、少しずつ動いていった。
扉を開けはじめて四十分。ようやく扉に、人一人分入れるくらいの隙間ができた。
「やっと、入れる……」
地面に尻をついた乙葉は、扉を開けることに疲れ、もはや放心状態になっていた。
その時、ちょうどいいタイミングで、となりで寝ていたルーカスが起き出し、
「うーん……」と、うなった。
「乙葉、おはよう。扉は開いた?」
あまりにのんきな態度のルーカスを見て、乙葉は呆れと怒りのこもった顔を浮かべながら、
「おはようじゃないわよ」と言った。
「あ、開いてる!」
ついさきほど、乙葉が開けたばかりの扉を見て、うれしそうにルーカスが言った。
「やったね、これで剣が見られる」
「もー、自分も協力したみたいに言わないでよ。ルーカスが参加したのは、最初だけで、あとはほとんど、私一人でやったんだから」
首をたれさせながらも、釣り上げた目でルーカスを見た乙葉が、不平を言った。
「わかってるよ」
そう言うと、ルーカスは飛んで空中に浮かび、天井に向かって、思いきり伸びをした。
「あー、それにしてもよく寝たな。それじゃ、中に入ろっか」
ルーカスがうながした。
本当にわかっているのか定かではなかったが、長い時間をかけて乙葉が作った、扉のせまい隙間から、二人は中に入った。
その途端、室内の奥の方から、ひややかな空気が流れた。それで乙葉とルーカスのふたりは、途端に身震いした。
まわりを見ても、室内の中は真っ暗だった。ふたりの後ろから射し込む、頼りない通路の光だけが、中を照らしていたが、そこ以外はなにも見えなかった。それに、聞こえてくるのは二人が鳴らす足音だけで、なんだかとても不気味に感じた。
「ルーカス、電気はどこ?」
周囲を見まわしながら、乙葉が言った。
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