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2 不審人物
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でも、いざ二人きりになると、柚子はカチコチに固まった石のようになり、普段よりも、態度がぎこちなくなっていた。
京一はというと、柚子のとなりで、けっして犯人を逃すまいと、あちこちに視線を向けて、目を凝らしている。その姿はまるで、獲物を狙うハンターのようだった。
「柚子、そっちはどうだ?」
柚子の反対側を、探していた京一が尋ねた。
「あ——うん。誰もいないみたい」
石のようになりながらも、まわりをきちんと見ていた柚子は、京一に報告した。
「そうか。じゃあ、次はあっちの方にいってみよう」
そう言うと、京一は、城や倉庫がある、東の方角に向かって歩きはじめた。
柚子は黙って、そのあとをついていく。
そこで突然、柚子の視界が大きく揺れた。
「ひゃっ」
体が後ろに倒れようとしている。
京一は、柚子の体が完全に地面に倒れる前に、持ち前の反射神経を活かし、とっさに柚子の体を支えた。
「おっと、大丈夫か?」
京一が心配そうに尋ねた。
「うん……大丈夫……」
柚子は京一に、胸の下辺りを、片腕で抱えられている。
「なにか踏んだみたい……」
そう言ったあと、下を見てたしかめると、ひとつの缶詰が、地面に放置されて転がっているのが、柚子の目にとまった。
京一は、柚子をゆっくり立たせて離すと、その缶を手にとった。
「また俺たちの食料だ」
中身が空の缶を見て、京一がけわしい顔をした。
「ったく、食べるだけ食べてポイ捨てしやがって」
「本当、いたるところでポイ捨てをしてるみたいね」
となりに立ちながら、京一の手にしている缶を見て、柚子が言った。
京一はというと、柚子のとなりで、けっして犯人を逃すまいと、あちこちに視線を向けて、目を凝らしている。その姿はまるで、獲物を狙うハンターのようだった。
「柚子、そっちはどうだ?」
柚子の反対側を、探していた京一が尋ねた。
「あ——うん。誰もいないみたい」
石のようになりながらも、まわりをきちんと見ていた柚子は、京一に報告した。
「そうか。じゃあ、次はあっちの方にいってみよう」
そう言うと、京一は、城や倉庫がある、東の方角に向かって歩きはじめた。
柚子は黙って、そのあとをついていく。
そこで突然、柚子の視界が大きく揺れた。
「ひゃっ」
体が後ろに倒れようとしている。
京一は、柚子の体が完全に地面に倒れる前に、持ち前の反射神経を活かし、とっさに柚子の体を支えた。
「おっと、大丈夫か?」
京一が心配そうに尋ねた。
「うん……大丈夫……」
柚子は京一に、胸の下辺りを、片腕で抱えられている。
「なにか踏んだみたい……」
そう言ったあと、下を見てたしかめると、ひとつの缶詰が、地面に放置されて転がっているのが、柚子の目にとまった。
京一は、柚子をゆっくり立たせて離すと、その缶を手にとった。
「また俺たちの食料だ」
中身が空の缶を見て、京一がけわしい顔をした。
「ったく、食べるだけ食べてポイ捨てしやがって」
「本当、いたるところでポイ捨てをしてるみたいね」
となりに立ちながら、京一の手にしている缶を見て、柚子が言った。
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