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2 不審人物
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京一は、相変わらず平静を保っている。
たいして乙葉は、なるべく減らさないように、みんなで大切にしながら食べてきた、食料の一部が、何者かにとられたことによって、絶望を感じずにはいられなかった。
「はああ……私たちの大切な食料が……こんなに少なくなって……」
食料の箱を見ながら、乙葉が悲しくなりながら言った。
「まあでも、全部とられてないだけマシよ」
励ますように、柚子が言った。
「そうそう、そうだよ」
すでに機嫌を直したルーカスは、こんな状況でも、変わらずお気楽に見える。
乙葉はそんなルーカスを、うらやましく思いながらも、なんとか気をとりなおそうと、がんばった。
「まあ、落ち込んでいても仕方ない。とにかく、その犯人があらわれた場所までいこう」
京一が言った。
「そうね、そうしましょう」
柚子が同意した。
「でも、留守にしていると、また盗まれるかもしれない。だから、この小屋に誰か一人、見張りが必要だ」
悩ましげに京一が言った。
「じゃあ、僕が見張りをします」
間髪を入れずに、久遠が言った。
「立ったり歩いたりは、ケガをしていてもできるんですけど、走ることはできないので、僕がいくと、なにかあった時に、足手まといになると思いますから」
「じゃあ久遠、すまないが、頼む」
京一は、久遠が見張り役に適任だと思ったのか、文句なしで頼んだようだった。
でも、たとえ本人が大丈夫だと言っても、久遠がケガをしていることには変わりない。だから万が一、小屋に犯人が、おそってきたりでもしたら、その足で逃げようと思っても、逃げるのは困難だ。
そう思った乙葉は、
「久遠くんだけで、大丈夫?」と、不安になりながら聞いた。
たいして乙葉は、なるべく減らさないように、みんなで大切にしながら食べてきた、食料の一部が、何者かにとられたことによって、絶望を感じずにはいられなかった。
「はああ……私たちの大切な食料が……こんなに少なくなって……」
食料の箱を見ながら、乙葉が悲しくなりながら言った。
「まあでも、全部とられてないだけマシよ」
励ますように、柚子が言った。
「そうそう、そうだよ」
すでに機嫌を直したルーカスは、こんな状況でも、変わらずお気楽に見える。
乙葉はそんなルーカスを、うらやましく思いながらも、なんとか気をとりなおそうと、がんばった。
「まあ、落ち込んでいても仕方ない。とにかく、その犯人があらわれた場所までいこう」
京一が言った。
「そうね、そうしましょう」
柚子が同意した。
「でも、留守にしていると、また盗まれるかもしれない。だから、この小屋に誰か一人、見張りが必要だ」
悩ましげに京一が言った。
「じゃあ、僕が見張りをします」
間髪を入れずに、久遠が言った。
「立ったり歩いたりは、ケガをしていてもできるんですけど、走ることはできないので、僕がいくと、なにかあった時に、足手まといになると思いますから」
「じゃあ久遠、すまないが、頼む」
京一は、久遠が見張り役に適任だと思ったのか、文句なしで頼んだようだった。
でも、たとえ本人が大丈夫だと言っても、久遠がケガをしていることには変わりない。だから万が一、小屋に犯人が、おそってきたりでもしたら、その足で逃げようと思っても、逃げるのは困難だ。
そう思った乙葉は、
「久遠くんだけで、大丈夫?」と、不安になりながら聞いた。
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