ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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1 絶対絶命ゴーカート

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 乙葉はすこし考えたあと、
「そうかも」と、肩をすくめて言った。
 すると、後ろでなにやら、殺気を感じた気がして、乙葉は思わず身震いした。
 後ろを振り向いたら、きっと京一が、嫌悪感をあらわにした顔で、乙葉たちを見ているにちがいないと思い、乙葉はあえて、振り向かなかった。かわりに、だまって鍵探しをすることに決めた。
 長らくカートを走らせていると、コンクリートが陥没してできた、丸い穴の数が、これまでよりも、ずいぶんと多くなってきていた。
「なんか、走りづらいです」
 京一に怒られないように、小声で久遠が言った。
「そうよね。大丈夫かしら、この道」
 おなじく小声で、乙葉が心配するように言った。
「うーん……」
 久遠は困っているようだった。
「まあ、きっと、なんとかなる……わよね」
 すこし自信をなくしながら、乙葉が言った。
「なんとかなったらいいですけど」
 久遠は警戒しながら、そう言った。
 そのあと空を見上げると、だんだんと雲行きがあやしくなってきているのがわかった。なんだか、よくないことが起こりそうだ。
「ん? あれはなんでしょう」
 急に、なにかを発見した久遠が言った。
 乙葉は久遠を見ると、
「なにか見つけたの?」と言った。
「はい。あまりよく見えないんですけど、あそこに、箱みたいなものがあるんですよ」
 そう言いながら、久遠は、謎の白い箱のようなものが置いてある、芝生の右斜めを指さした。
 乙葉は、久遠が指さした方向を、注意深く、目をこらしながら見ると、
「なんだかあやしいわね」と言った。
「ですよね。あれ、もしかしたら鍵かもしれないですし、早速あそこまでいって、確かめてみませんか?」
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