ルーカスと呪われた遊園地(中)

大森かおり

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1 絶対絶命ゴーカート

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 そんな和気あいあいと食事をしている中、
「あのさ、どこが一番あやしいと思う?」と、突然、京一がみんなに向かって言った。
「急になんの話?」
 スープをスプーンで混ぜながら、乙葉が言った。
「鍵のありそうな場所だよ」
 京一が言った。
 すると、久遠が片手で、眼鏡をクイッと上げて、
「やっぱり、ここで一番目立っている、城じゃないですか?」と、自信ありそうに言った。
「城ねえ……」
 腕を組みながら、京一が考えるように言った。
「俺もそう思ったけど、城にはバーサークがいるから、無闇にいくと危険なんだよ」
 久遠は顔をしかめると、
「うーん……じゃあ、そのバーサークとかっていう人が、城にいない時を狙って入るのは、無理なんですかね?」と言った。
「別に無理っていうわけでもないが——」
 京一がなにかを言いかけたところで、乙葉が口を開いた。
「まあ、それは最終手段として、まずは、その周辺にある場所を探しましょうよ。京一の言うとおり、その城にいったら、命がいくつあっても足りなさそうだし。城以外にも、まだ鍵がある可能性は十分あるんだから、優先順位的には、城は後回しにした方がいいと思うわ」
 きっぱりと乙葉が言い放った。
「なるほど。たしかに、そうした方がいいかもしれないですね」
 納得したような顔をして、久遠が言った。
「お前って本当、たまにはいいこというよな」
 たまにはの部分を強調しながら、京一が意地悪く言った。
 乙葉は頬をふくらませると、
「だからその、たまには、は余計よ!」と、ムキになって言った。
 二人がもめていると、
「でも城以外って、ほかにどこを探そうと思ってるの? だってもう探す場所、だいぶかぎられてくるわよ」と、柚子が言った。
「そうだな。これまで、鍵が出てきた場所はメリーゴーランド、観覧車ときてる。この流れからしたら、やっぱり、乗り物が一番あやしいと思うんだ。柚子の言うとおり、他の場所は全部じゃないにしても、大体は見てきたから、探す場所がもうほとんどない。だから俺は、いまのところ、ゴーカートかジェットコースターに、狙いをしぼっているところだ」
 京一が言った。
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