6 / 33
1 ほかほかのパンプキンパイはいかが?
6
しおりを挟む
すると、キコリにそう尋ねられた木の妖精は、きょとんとしながら、
「え? 君、ひょっとして、僕に聞いているのかい?」と言った。
「そうよ。ほかに誰がいるっていうの?」
腰に手を当てながら、キコリが言った。
「おっと、それもそうだね」
うっかりしていたというように、口に手を当てながら、木の妖精が言った。
「僕は、カポックと言うんだ」
木の妖精、カポックは、今度は胸に手を当てながら、自己紹介した。
「普段は暇だからこうやって、パイを作って売り歩いているんだけど、ちょっと迷ってしまったみたいでね」
そう言うとカポックは、照れたように、頬をぽりぽりとかいた。
「あら、びっくり。ひょっとしてあなた、迷子だったの?」
まさかと思いながら、キコリが言った。
「恥ずかしい話、そうなんだ」
顔を真っ赤にしたカポックが、キコリたちから、目を逸らしながら言った。
「ああ、やっぱり、そうじゃないかと思ったんだ」
おばあちゃんが、同情しながら言った。
カポックは、おばあちゃんの言うことを聞いて、目を泳がせた。
「でも、私たちよりも森に詳しいはずの木の妖精が、森で迷子なんて、なんだかおかしな話だわ」
あきれてキコリが言うと、カポックは、ますます照れて、バツが悪そうに下を向き、ついに黙り込んでしまった。
「かわいそうだねえ。なんとかしてあげたいけど……あたしじゃなにもねえ」
誰にでも親切なおばあちゃんはそう言いながら、カポックを、心底あわれみを込めた目で見つめた。
すると、これまでひたすら、照れるだけだったカポックは、急に、立ち直ったかのように、堂々と胸を張りながら、前を向くと、
「別に、おばあさんたちに助けてもらわなくても、大丈夫さ。自分でどうにかするから」と言った。
「え? 君、ひょっとして、僕に聞いているのかい?」と言った。
「そうよ。ほかに誰がいるっていうの?」
腰に手を当てながら、キコリが言った。
「おっと、それもそうだね」
うっかりしていたというように、口に手を当てながら、木の妖精が言った。
「僕は、カポックと言うんだ」
木の妖精、カポックは、今度は胸に手を当てながら、自己紹介した。
「普段は暇だからこうやって、パイを作って売り歩いているんだけど、ちょっと迷ってしまったみたいでね」
そう言うとカポックは、照れたように、頬をぽりぽりとかいた。
「あら、びっくり。ひょっとしてあなた、迷子だったの?」
まさかと思いながら、キコリが言った。
「恥ずかしい話、そうなんだ」
顔を真っ赤にしたカポックが、キコリたちから、目を逸らしながら言った。
「ああ、やっぱり、そうじゃないかと思ったんだ」
おばあちゃんが、同情しながら言った。
カポックは、おばあちゃんの言うことを聞いて、目を泳がせた。
「でも、私たちよりも森に詳しいはずの木の妖精が、森で迷子なんて、なんだかおかしな話だわ」
あきれてキコリが言うと、カポックは、ますます照れて、バツが悪そうに下を向き、ついに黙り込んでしまった。
「かわいそうだねえ。なんとかしてあげたいけど……あたしじゃなにもねえ」
誰にでも親切なおばあちゃんはそう言いながら、カポックを、心底あわれみを込めた目で見つめた。
すると、これまでひたすら、照れるだけだったカポックは、急に、立ち直ったかのように、堂々と胸を張りながら、前を向くと、
「別に、おばあさんたちに助けてもらわなくても、大丈夫さ。自分でどうにかするから」と言った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる