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25話 将来の騎士団
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⸺⸺7日後の昼休み。
私はランチ後エミリアと別れると、すぐに屋上へと向かった。
屋上の入り口で、アーサー殿下と落ち合う。
「殿下、お待たせしました」
「ディアナ、お前の言う通りだった。彼らは本当に恋人のようだ。世の中には様々な価値観があるのだな。勉強になった」
殿下は彼らを見ながらそう言った。なんて真面目なんだ、殿下は。でも、素敵です、そういうところ。
「本当ですね……あ、お弁当食べ終わったみたいですね」
「よし、行こう」
「はい」
殿下と2人で彼らの元へと向かう。
「アラン・ベックマンとクラース・アンドレイだな?」
「「アーサー殿下!?」」
アラン様とクラース様はバッと立ち上がる。
「いや、座ったままでいい、少し聞いてほしいことがある」
「「はい」」
アーサー殿下が隣のベンチへ腰掛けると、彼らもスッと座った。私も一応アーサー殿下の隣へと座らせてもらう。
「俺は今騎士科の5年生で、卒業後は新たな騎士団を立ててほしいと父上から言われている」
「いきなり団長ということですか!? さすがですね!」
と、クラース様。
「まぁ、荷が重い部分もあるが……それで、今優秀な団員を集めているところでな、お前たち2人にぜひ俺の騎士団へ入ってもらいたいんだ」
「え、僕たち2人ともですか!?」
アラン様は驚きを顕にする。
「そうだ。お前たちは2年と3年の特待生だろう? 何もおかしな話ではないと思うのだが……」
「アーサー殿下の騎士団に……つまりあと2年で僕も騎士になれると言うことですか?」
と、アラン様。
「そうだ。騎士団からの引き抜きがあれば飛び級で卒業できるからな」
「でもそうすると……両親が縁談の話を急ぎそうで……俺は……」
クラース様はそう言ってうつむく。
「そこは俺に任せてほしい。俺の部隊だから、将来の決定権は俺に委ねてもらえるよう、お前らの両親に掛け合ってみよう。もちろん俺はお前らの望まない婚姻は強要しない。将来の跡継ぎは養子でいいと思っている。どうだろうか?」
「ほ、本当ですか!?」
「アーサー殿下……俺らの関係に気付いて……」
「気付いたのは俺ではなく、彼女の助言によるものだがな……この話、受けてくれないか?」
「「謹んでお受け致します!」」
そう言った彼らは、泣いて喜んでいた。
「それであの……俺らのことを気付いてくれた彼女は……?」
と、クラース様。
「彼女はディアナ・エイデン。魔道科の1年で、エイデン男爵のご息女だ。そして、俺が婚約する予定の女性だ」
「将来の奥様!?」
「そうでしたか……!」
彼らはビックリ仰天している。というか、話してしまったことに対して私も驚いたが、とりあえず「どうぞお見知りおきを」と会釈しておいた。
「だが、この話は俺が卒業するまでは公にできない。だからこそ、お前たちにも彼女を守る協力をしてほしい。彼女とそのご友人のエミリア・マクミラン、2人に変な虫が付かないよう、力になってやってほしい」
「「承知致しました! 騎士として、必ずや守ってみせましょう!」」
⸺⸺
その後、殿下は彼らの実家を丸め込むことに成功。
記録のアルバムには『優秀な護衛騎士……CLEAR』と書かれていた。
私はランチ後エミリアと別れると、すぐに屋上へと向かった。
屋上の入り口で、アーサー殿下と落ち合う。
「殿下、お待たせしました」
「ディアナ、お前の言う通りだった。彼らは本当に恋人のようだ。世の中には様々な価値観があるのだな。勉強になった」
殿下は彼らを見ながらそう言った。なんて真面目なんだ、殿下は。でも、素敵です、そういうところ。
「本当ですね……あ、お弁当食べ終わったみたいですね」
「よし、行こう」
「はい」
殿下と2人で彼らの元へと向かう。
「アラン・ベックマンとクラース・アンドレイだな?」
「「アーサー殿下!?」」
アラン様とクラース様はバッと立ち上がる。
「いや、座ったままでいい、少し聞いてほしいことがある」
「「はい」」
アーサー殿下が隣のベンチへ腰掛けると、彼らもスッと座った。私も一応アーサー殿下の隣へと座らせてもらう。
「俺は今騎士科の5年生で、卒業後は新たな騎士団を立ててほしいと父上から言われている」
「いきなり団長ということですか!? さすがですね!」
と、クラース様。
「まぁ、荷が重い部分もあるが……それで、今優秀な団員を集めているところでな、お前たち2人にぜひ俺の騎士団へ入ってもらいたいんだ」
「え、僕たち2人ともですか!?」
アラン様は驚きを顕にする。
「そうだ。お前たちは2年と3年の特待生だろう? 何もおかしな話ではないと思うのだが……」
「アーサー殿下の騎士団に……つまりあと2年で僕も騎士になれると言うことですか?」
と、アラン様。
「そうだ。騎士団からの引き抜きがあれば飛び級で卒業できるからな」
「でもそうすると……両親が縁談の話を急ぎそうで……俺は……」
クラース様はそう言ってうつむく。
「そこは俺に任せてほしい。俺の部隊だから、将来の決定権は俺に委ねてもらえるよう、お前らの両親に掛け合ってみよう。もちろん俺はお前らの望まない婚姻は強要しない。将来の跡継ぎは養子でいいと思っている。どうだろうか?」
「ほ、本当ですか!?」
「アーサー殿下……俺らの関係に気付いて……」
「気付いたのは俺ではなく、彼女の助言によるものだがな……この話、受けてくれないか?」
「「謹んでお受け致します!」」
そう言った彼らは、泣いて喜んでいた。
「それであの……俺らのことを気付いてくれた彼女は……?」
と、クラース様。
「彼女はディアナ・エイデン。魔道科の1年で、エイデン男爵のご息女だ。そして、俺が婚約する予定の女性だ」
「将来の奥様!?」
「そうでしたか……!」
彼らはビックリ仰天している。というか、話してしまったことに対して私も驚いたが、とりあえず「どうぞお見知りおきを」と会釈しておいた。
「だが、この話は俺が卒業するまでは公にできない。だからこそ、お前たちにも彼女を守る協力をしてほしい。彼女とそのご友人のエミリア・マクミラン、2人に変な虫が付かないよう、力になってやってほしい」
「「承知致しました! 騎士として、必ずや守ってみせましょう!」」
⸺⸺
その後、殿下は彼らの実家を丸め込むことに成功。
記録のアルバムには『優秀な護衛騎士……CLEAR』と書かれていた。
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