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4話 購入
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それから私はこの世界でもせっせと働いた。『神商人』のスキルのおかげだと思うけど、この世界で稼ぐのは前世よりもずっとずっと簡単だった。
そしてモチベーションを保つため、5日に1度はあの奴隷屋へと通って目的の彼を眺めた。
彼はどんどんと清潔感あふれる容姿になり、少し痩せ気味だったのも普通体型くらいになっていた。
そしてどんどんとお金を貯めていく。彼はドンドンと筋肉もつけていく。
20日が経った頃なんかには、私がガラス越しに彼を見つめると、少し微笑んでくれるようにもなった。
商人さんに聞くと、私が彼を買うために頑張っていると、彼に伝えたとのことだった。
そのため生きることに否定的だった彼も、今では私に買ってもらえるよう努力を始めて、手間もかかっていないので、半額以下の500万クレドにしてくれるとのことだった。
そして、この世界に来て彼を見つけてから1ヶ月が過ぎた頃、私は600万クレドを持って奴隷屋へと行った。
⸺⸺奴隷屋⸺⸺
「おぉ、サキ様ですか。実はあなた様にお売りいただいた奴隷の調教が終わって、ちょうど今日から通りに並べさせてもらっておりますぞ」
「見たわ。3000クレドなのね。ちゃんと売れるのかしら?」
「この世には物好きもたくさんおりますから、単純に安いからと買っていかれる方もおりますし」
「そう、それはそうと、600万クレド、持ってきたわ」
私は600万の小切手をチラつかせる。
「なんと、遂に貯まりましたか……! って、提示していた金額より100万多いですねぇ……」
「ええ、見てたら、このフロアの奴隷たち、みんな知り合い同士なんじゃない?」
「おぉ、これはお目が高い。サキ様ですから特別にお伝えしましょう。彼は隣国の王族だとお伝えしましたね」
「ええ」
「この周りの品は、その彼直属の家来であり、隣国の貴族だった者たちです」
「なるほど、そういうこと……なら、なおさら一緒の方がいいわよね。このフロアの奴隷、全部一気に買うわ。600万クレドで足りるでしょう?」
「なんとなんと! そのおつもりでしたか! ええ、足りますとも。お釣りを計算しますので……」
「いらないわ。キレイに保っててくれたお礼のチップとして受け取ってちょうだい」
「有り難き幸せ……! それではすぐにお持ち帰りのご用意を致します」
たくさんのイケメンたちがゾロゾロと馬車へと乗せられて、私は総勢20名の若い男を大人買いした。
そしてモチベーションを保つため、5日に1度はあの奴隷屋へと通って目的の彼を眺めた。
彼はどんどんと清潔感あふれる容姿になり、少し痩せ気味だったのも普通体型くらいになっていた。
そしてどんどんとお金を貯めていく。彼はドンドンと筋肉もつけていく。
20日が経った頃なんかには、私がガラス越しに彼を見つめると、少し微笑んでくれるようにもなった。
商人さんに聞くと、私が彼を買うために頑張っていると、彼に伝えたとのことだった。
そのため生きることに否定的だった彼も、今では私に買ってもらえるよう努力を始めて、手間もかかっていないので、半額以下の500万クレドにしてくれるとのことだった。
そして、この世界に来て彼を見つけてから1ヶ月が過ぎた頃、私は600万クレドを持って奴隷屋へと行った。
⸺⸺奴隷屋⸺⸺
「おぉ、サキ様ですか。実はあなた様にお売りいただいた奴隷の調教が終わって、ちょうど今日から通りに並べさせてもらっておりますぞ」
「見たわ。3000クレドなのね。ちゃんと売れるのかしら?」
「この世には物好きもたくさんおりますから、単純に安いからと買っていかれる方もおりますし」
「そう、それはそうと、600万クレド、持ってきたわ」
私は600万の小切手をチラつかせる。
「なんと、遂に貯まりましたか……! って、提示していた金額より100万多いですねぇ……」
「ええ、見てたら、このフロアの奴隷たち、みんな知り合い同士なんじゃない?」
「おぉ、これはお目が高い。サキ様ですから特別にお伝えしましょう。彼は隣国の王族だとお伝えしましたね」
「ええ」
「この周りの品は、その彼直属の家来であり、隣国の貴族だった者たちです」
「なるほど、そういうこと……なら、なおさら一緒の方がいいわよね。このフロアの奴隷、全部一気に買うわ。600万クレドで足りるでしょう?」
「なんとなんと! そのおつもりでしたか! ええ、足りますとも。お釣りを計算しますので……」
「いらないわ。キレイに保っててくれたお礼のチップとして受け取ってちょうだい」
「有り難き幸せ……! それではすぐにお持ち帰りのご用意を致します」
たくさんのイケメンたちがゾロゾロと馬車へと乗せられて、私は総勢20名の若い男を大人買いした。
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