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32話 地獄に堕ちろ-オスカーside-
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⸺⸺シュナイダー公爵の屋敷⸺⸺
屋敷の入り口の前で、レベッカがボロボロと泣きながら俺の帰りを待っていた。
やめてくれ、何か嫌な予感がする。
「オスカー様!」
「レベッカ……フローラは……?」
「フローラと町ではぐれてしまって、どこにもいないんです!」
「町ではぐれただと……?」
「ごめんなさい……今町の人や屋敷の者たちで総動員で探しています。オスカー様も一緒に探してください!」
「分かった、ひとまず町へ向かおう」
「……はい……!」
⸺⸺ルスティの町⸺⸺
もう日が落ちたというのに、町は騒然としていた。あちこちから、フローラの名を呼ぶ声がする。
一体どこに行ってしまったのか。不安で押しつぶされそうな心をグッと堪え、俺は周りの気配を探るのに集中をした。
すると、たくさんの人の気配に混じって微かにあのフローラの祈りの風が漂っているのを感じた。
「フローラ……!」
「え、オスカー様、フローラを見つけたのですか!?」
「レベッカこっちだ。確かにフローラはこの町にいる」
「はい!」
それに祈ることができるということは、無事だということ。俺はその事に安堵しつつ、フローラの祈りの風を辿った。
やがて町の外れまで来ると、小さな小屋を発見する。
「こんな外れにフローラが……?」
レベッカは辺りをキョロキョロとしている。だがレベッカ、そんなにキョロキョロとしないでも、フローラは……あの小屋の中だ。
「フローラ! そこにいるな? 俺だ、オスカーだ! 無事なら返事をしてくれ!」
小屋の戸をドンドンと叩きながら中へと呼びかける。
すると、すぐに元気そうな声が返ってきた。
「オスカー様! フローラは無事です! エリーゼお姉様に閉じこめられてしまいました」
「何だと……」
俺の中で何かがブチ切れる。
今すぐぶっ殺しに行きたいが、今はフローラを助け出すことが先決だ。どうか冷静になってくれ、俺。
ふぅっと軽く深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、フローラに小屋の隅に避けるように指示をし、戸ごと魔弾で錠をぶち抜いた。
土埃がまだ舞う中、戸のなくなった小屋の中へ足を踏み入れる。
すると、小屋の隅からフローラが嬉しそうに俺の胸に飛び込んできた。
「オスカー様!」
「フローラ、怖かっただろう。もう大丈夫だ」
フローラをキツく抱きしめる。彼女もすぐに俺の腰に腕を回してきた。
「良かった……フローラ……」
レベッカは安心でその場に崩れ落ち、号泣をしていた。彼女も不安だったことであろう。
普段からフローラの事を良く見てくれている。彼女を責めるつもりは全くない。
責めるべきは、あの害虫エリーゼ。絶対にぶっ殺してやる。お前は地獄に堕ちろ!
俺の中でとてつもない魔力が湧き上がるのを感じる。
その魔力を、アーレンス城の方面へと向ける。
⸺⸺その瞬間だった。
アーレンス城の方面で大きな地鳴りと共に何かとてつもない禍々しい気配が噴き上がるのを感じた。
屋敷の入り口の前で、レベッカがボロボロと泣きながら俺の帰りを待っていた。
やめてくれ、何か嫌な予感がする。
「オスカー様!」
「レベッカ……フローラは……?」
「フローラと町ではぐれてしまって、どこにもいないんです!」
「町ではぐれただと……?」
「ごめんなさい……今町の人や屋敷の者たちで総動員で探しています。オスカー様も一緒に探してください!」
「分かった、ひとまず町へ向かおう」
「……はい……!」
⸺⸺ルスティの町⸺⸺
もう日が落ちたというのに、町は騒然としていた。あちこちから、フローラの名を呼ぶ声がする。
一体どこに行ってしまったのか。不安で押しつぶされそうな心をグッと堪え、俺は周りの気配を探るのに集中をした。
すると、たくさんの人の気配に混じって微かにあのフローラの祈りの風が漂っているのを感じた。
「フローラ……!」
「え、オスカー様、フローラを見つけたのですか!?」
「レベッカこっちだ。確かにフローラはこの町にいる」
「はい!」
それに祈ることができるということは、無事だということ。俺はその事に安堵しつつ、フローラの祈りの風を辿った。
やがて町の外れまで来ると、小さな小屋を発見する。
「こんな外れにフローラが……?」
レベッカは辺りをキョロキョロとしている。だがレベッカ、そんなにキョロキョロとしないでも、フローラは……あの小屋の中だ。
「フローラ! そこにいるな? 俺だ、オスカーだ! 無事なら返事をしてくれ!」
小屋の戸をドンドンと叩きながら中へと呼びかける。
すると、すぐに元気そうな声が返ってきた。
「オスカー様! フローラは無事です! エリーゼお姉様に閉じこめられてしまいました」
「何だと……」
俺の中で何かがブチ切れる。
今すぐぶっ殺しに行きたいが、今はフローラを助け出すことが先決だ。どうか冷静になってくれ、俺。
ふぅっと軽く深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、フローラに小屋の隅に避けるように指示をし、戸ごと魔弾で錠をぶち抜いた。
土埃がまだ舞う中、戸のなくなった小屋の中へ足を踏み入れる。
すると、小屋の隅からフローラが嬉しそうに俺の胸に飛び込んできた。
「オスカー様!」
「フローラ、怖かっただろう。もう大丈夫だ」
フローラをキツく抱きしめる。彼女もすぐに俺の腰に腕を回してきた。
「良かった……フローラ……」
レベッカは安心でその場に崩れ落ち、号泣をしていた。彼女も不安だったことであろう。
普段からフローラの事を良く見てくれている。彼女を責めるつもりは全くない。
責めるべきは、あの害虫エリーゼ。絶対にぶっ殺してやる。お前は地獄に堕ちろ!
俺の中でとてつもない魔力が湧き上がるのを感じる。
その魔力を、アーレンス城の方面へと向ける。
⸺⸺その瞬間だった。
アーレンス城の方面で大きな地鳴りと共に何かとてつもない禍々しい気配が噴き上がるのを感じた。
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