18 / 35
18話 会いたかった
しおりを挟む
「フローラ……寂しい思いをさせてすまなかった」
オスカー様に抱きしめられて、彼の愛が真っ直ぐに伝わってくる。彼に触れている全身で、彼の愛を感じた。
「良いんです。私、このお屋敷に居られるだけで幸せで……。でも、でも……やっぱり、オスカー様に会いたかったです……」
「フローラ、俺も、ちゃんと起きているお前に会いたくなってしまってな。仕事、放り出して帰ってきてしまった」
「え、ええ!? そ、そんな、大丈夫なんですか!?」
「あぁ、もういいんだ。全く皇帝陛下も、最近シュナイダー領の景気が良いからと言って他の領の仕事まで押し付けてきてな。明日、正式に全部断るつもりだ。これではお前との時間が全く取れないからな」
「わ、私なんかのために……」
私は申し訳なくなり、オスカー様のローブをキュッと掴む。
「先程俺に会いたいと言ってくれたのはお前だろう?」
「あ、あの……わがまま言って、申し訳ありません……」
「フローラ、俺はな、誰かに会いたいと言われたのも、誰かにこんなにも会いたいと思ったのも、お前が初めてなんだ」
「私もです……」
「お互いこんなにも会いたいんだ。少しくらいわがまま言ったっていいだろう」
「オスカー様……その、でしたら、明日からはまたお話しできますか……?」
「あぁ。またお前の可愛い報告を聞かせてくれ」
「か、可愛い、ですか……?」
私は頬がポッと熱くなるのを感じる。
「あぁ。クレープは、いちごが沢山入っているやつが1番好きなのだろう?」
「はい! そ、そんな話、覚えてくださっていたのですね……!」
「当たり前だろう。可愛すぎて、忘れたくても忘れられん。欲を言えば、そのクレープを食べているお前を目の前で見たいと思っている」
「クリームがいっぱいお口の周りについちゃうので、オスカー様には恥ずかしくて見せられません……」
私はいつもレベッカに口の周りを拭いてもらっているのを思い出す。
「レベッカには見せているのに、か?」
「レベッカは、お友達なので……」
「俺は、お前の旦那のはずなのだが、お友達以下なのか?」
「そ、そういう訳では……!」
私なんて失礼なことを。そう思ってオスカー様を見上げると、彼は相変わらず優しい表情をされていた。
「お前は恥ずかしいだろうが、俺は、お前のどんな姿も見たいと思っている。情けないことに、そんな色んなお前を見られているレベッカやばあやに対して、俺は少し嫉妬してしまっているんだ」
彼はそう言って困ったように笑っていた。
そんなオスカー様も顔を真っ赤にされていて、その事を私に告げることに恥ずかしさを感じていることが分かった。
それでも私に自分の気持ちを伝えようとしてくれている。そんな彼に、これ以上にないくらいに愛おしさを感じていた。
「オスカー様、私はオスカー様を誰よりもお慕いしています。オスカー様がそう仰るなら、どんな私でもお見せします」
「フローラ……困ったな。お前が愛おしすぎて、おかしくなってしまいそうだ……」
オスカー様はそう言って、更に強く私を抱きしめた。
オスカー様に抱きしめられて、彼の愛が真っ直ぐに伝わってくる。彼に触れている全身で、彼の愛を感じた。
「良いんです。私、このお屋敷に居られるだけで幸せで……。でも、でも……やっぱり、オスカー様に会いたかったです……」
「フローラ、俺も、ちゃんと起きているお前に会いたくなってしまってな。仕事、放り出して帰ってきてしまった」
「え、ええ!? そ、そんな、大丈夫なんですか!?」
「あぁ、もういいんだ。全く皇帝陛下も、最近シュナイダー領の景気が良いからと言って他の領の仕事まで押し付けてきてな。明日、正式に全部断るつもりだ。これではお前との時間が全く取れないからな」
「わ、私なんかのために……」
私は申し訳なくなり、オスカー様のローブをキュッと掴む。
「先程俺に会いたいと言ってくれたのはお前だろう?」
「あ、あの……わがまま言って、申し訳ありません……」
「フローラ、俺はな、誰かに会いたいと言われたのも、誰かにこんなにも会いたいと思ったのも、お前が初めてなんだ」
「私もです……」
「お互いこんなにも会いたいんだ。少しくらいわがまま言ったっていいだろう」
「オスカー様……その、でしたら、明日からはまたお話しできますか……?」
「あぁ。またお前の可愛い報告を聞かせてくれ」
「か、可愛い、ですか……?」
私は頬がポッと熱くなるのを感じる。
「あぁ。クレープは、いちごが沢山入っているやつが1番好きなのだろう?」
「はい! そ、そんな話、覚えてくださっていたのですね……!」
「当たり前だろう。可愛すぎて、忘れたくても忘れられん。欲を言えば、そのクレープを食べているお前を目の前で見たいと思っている」
「クリームがいっぱいお口の周りについちゃうので、オスカー様には恥ずかしくて見せられません……」
私はいつもレベッカに口の周りを拭いてもらっているのを思い出す。
「レベッカには見せているのに、か?」
「レベッカは、お友達なので……」
「俺は、お前の旦那のはずなのだが、お友達以下なのか?」
「そ、そういう訳では……!」
私なんて失礼なことを。そう思ってオスカー様を見上げると、彼は相変わらず優しい表情をされていた。
「お前は恥ずかしいだろうが、俺は、お前のどんな姿も見たいと思っている。情けないことに、そんな色んなお前を見られているレベッカやばあやに対して、俺は少し嫉妬してしまっているんだ」
彼はそう言って困ったように笑っていた。
そんなオスカー様も顔を真っ赤にされていて、その事を私に告げることに恥ずかしさを感じていることが分かった。
それでも私に自分の気持ちを伝えようとしてくれている。そんな彼に、これ以上にないくらいに愛おしさを感じていた。
「オスカー様、私はオスカー様を誰よりもお慕いしています。オスカー様がそう仰るなら、どんな私でもお見せします」
「フローラ……困ったな。お前が愛おしすぎて、おかしくなってしまいそうだ……」
オスカー様はそう言って、更に強く私を抱きしめた。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
961
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる