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13話 初めての町
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「バーバラ様! フローラ様と『ルスティの町』に行かせてください!」
「レベッカ……もう、フローラとは呼んでくれないの? お友達はおしまいですか……?」
「わわわ、ち、違うのフローラ! バーバラ様の前では、ちゃんと主従の関係でいた方がいいかと思って……」
「まぁ、そうだったの。ごめんなさい、私、勘違いしてしまって……」
そんな私たちのやりとりを見て、ばあや様は大きな声で笑っていた。
「レベッカ、フローラ様とお友達になったのですねぇ。このバーバラの前でも、お友達で良いですよ」
「はい、ありがとうございます!」
「『ルスティの町』ですねぇ。良いですよ、2人で行ってきなさい。ですが、そうですねぇ、2人ともメイドとドレスでは目立ってしまいます。レベッカの普段着を着ていきましょうか」
「確かに、それがいいわ! フローラ、こっちで着替えてから行きましょう」
「はい!」
⸺⸺
こうして町の娘の格好になった私たちは、『ルスティの町』へと出かけた。
⸺⸺ルスティの町⸺⸺
「うわぁ、建物がたくさん……!」
一度通った帝都ほどではないにしろ、色んな建物がたくさん並んでいて、全部順番に入ってみたいほどだった。
「帝都みたいに大きく発展している訳じゃないけど、のどかで良いところでしょ? 普通の平民は、みんなこういうところで暮らしているのよ」
「はい、とっても穏やかで、皆さん楽しそう」
「この『ルスティの町』は、シュナイダー領の顔とも言える存在なの。フローラの旦那様が守ってきた町なのよ」
「オスカー様が……」
もう一度町を見渡して、こんな平和をずっと守ってきたオスカー様のことを考えると、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
「よし、じゃぁまずはアクセサリー屋さんに行きましょ!」
「アクセサリー?」
「そのフローラの髪についてるような可愛い飾りがたくさん売ってるの」
「まぁ、それは楽しみ! 私、この髪飾りとっても気に入っているの」
「それ、どこにあったんだろうね。屋敷の中では1回も見たことないんだけど……」
「そうなの? ばあや様が持ってきてくれたんだけど……」
「おばあちゃんが……じゃぁ今度聞いてみよう。あ、ここがアクセサリー屋さんだよ」
私はレベッカに続いて建物の中に入る。
「わぁ……。腕輪や首飾りがたくさん……」
その夢のような空間を隅々まで見て回り、レベッカとお揃いの腕輪を購入した。
そして店の外に出ると、私は“お釣り”というものを興味津々に眺めた。
「これがお金……これで物が買えるのですね……」
「クレドって言うのよ。数字の後にCってついてたら、クレドって読んでね」
「うん、分かった!」
それからお昼頃に入った酒場では、ジョージ料理長様の作る絶品料理とはまた違った、どこか懐かしさを感じるお料理を堪能した。
たくさんメニューが書いてあって、自分で好きな物を頼んでいいのも、なんだかとても新鮮だった。
この酒場のお料理を今度ジョージ料理長様にも作ってもらおうと思って、私は必死に料理名を覚えた。
それからおやつにクレープを食べたり、お洋服屋さんで次に町に出かける用の服を買ったり、レベッカと共に夢の様な時間を過ごした。
⸺⸺夕方。
私たちがお屋敷へ戻ってくると、丁度オスカー様が帰ってきたところだった。
「フローラ……? どこかへ出かけていたのか?」
「オスカー様、今日はレベッカと『ルスティの町』へ行ってきました!」
私が満面の笑みでそう答えると、オスカー様は「そうか」と小さく微笑んで2階へと上がって行かれた。
「レベッカ……もう、フローラとは呼んでくれないの? お友達はおしまいですか……?」
「わわわ、ち、違うのフローラ! バーバラ様の前では、ちゃんと主従の関係でいた方がいいかと思って……」
「まぁ、そうだったの。ごめんなさい、私、勘違いしてしまって……」
そんな私たちのやりとりを見て、ばあや様は大きな声で笑っていた。
「レベッカ、フローラ様とお友達になったのですねぇ。このバーバラの前でも、お友達で良いですよ」
「はい、ありがとうございます!」
「『ルスティの町』ですねぇ。良いですよ、2人で行ってきなさい。ですが、そうですねぇ、2人ともメイドとドレスでは目立ってしまいます。レベッカの普段着を着ていきましょうか」
「確かに、それがいいわ! フローラ、こっちで着替えてから行きましょう」
「はい!」
⸺⸺
こうして町の娘の格好になった私たちは、『ルスティの町』へと出かけた。
⸺⸺ルスティの町⸺⸺
「うわぁ、建物がたくさん……!」
一度通った帝都ほどではないにしろ、色んな建物がたくさん並んでいて、全部順番に入ってみたいほどだった。
「帝都みたいに大きく発展している訳じゃないけど、のどかで良いところでしょ? 普通の平民は、みんなこういうところで暮らしているのよ」
「はい、とっても穏やかで、皆さん楽しそう」
「この『ルスティの町』は、シュナイダー領の顔とも言える存在なの。フローラの旦那様が守ってきた町なのよ」
「オスカー様が……」
もう一度町を見渡して、こんな平和をずっと守ってきたオスカー様のことを考えると、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
「よし、じゃぁまずはアクセサリー屋さんに行きましょ!」
「アクセサリー?」
「そのフローラの髪についてるような可愛い飾りがたくさん売ってるの」
「まぁ、それは楽しみ! 私、この髪飾りとっても気に入っているの」
「それ、どこにあったんだろうね。屋敷の中では1回も見たことないんだけど……」
「そうなの? ばあや様が持ってきてくれたんだけど……」
「おばあちゃんが……じゃぁ今度聞いてみよう。あ、ここがアクセサリー屋さんだよ」
私はレベッカに続いて建物の中に入る。
「わぁ……。腕輪や首飾りがたくさん……」
その夢のような空間を隅々まで見て回り、レベッカとお揃いの腕輪を購入した。
そして店の外に出ると、私は“お釣り”というものを興味津々に眺めた。
「これがお金……これで物が買えるのですね……」
「クレドって言うのよ。数字の後にCってついてたら、クレドって読んでね」
「うん、分かった!」
それからお昼頃に入った酒場では、ジョージ料理長様の作る絶品料理とはまた違った、どこか懐かしさを感じるお料理を堪能した。
たくさんメニューが書いてあって、自分で好きな物を頼んでいいのも、なんだかとても新鮮だった。
この酒場のお料理を今度ジョージ料理長様にも作ってもらおうと思って、私は必死に料理名を覚えた。
それからおやつにクレープを食べたり、お洋服屋さんで次に町に出かける用の服を買ったり、レベッカと共に夢の様な時間を過ごした。
⸺⸺夕方。
私たちがお屋敷へ戻ってくると、丁度オスカー様が帰ってきたところだった。
「フローラ……? どこかへ出かけていたのか?」
「オスカー様、今日はレベッカと『ルスティの町』へ行ってきました!」
私が満面の笑みでそう答えると、オスカー様は「そうか」と小さく微笑んで2階へと上がって行かれた。
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