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8話 黒い地脈
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⸺⸺シュナイダー城⸺⸺
シュナイダー城に着くと、オスカー様に連れられて、まずは皇帝陛下に謁見をした。
「おぉ、お主がフローラか。それにしても制圧時、あの場に居なかったような気がするが……本当に王族なのか?」
と、皇帝陛下。それに対しオスカー様がこう返事をする。
「恐れながら皇帝陛下。当時、この者は王女の寝室で隠れていた所を、私が見つけて捕え拘束しておりましたので、あの場にはおりませんでした」
私、拘束なんてされていないけど……。
「なんと、そうであったか! ふむ、オスカーは既に自分の嫁は自分で捕まえておったか……。初めからフローラが良いならそう言えば良いものを。何が『結婚など私には必要ありません』だ。正しくは『エリーゼではなくフローラが良い』だろうが」
皇帝陛下はそう言うと、子供のようにふてくされた。
「べ、別にそういう訳では……」
オスカー様は少し顔を赤くしてうつむいていた。
「あー、もう良い良い。フローラも困っておる。早速写真を撮るとしよう」
「……はっ」
そして、私とオスカー様のツーショットと、皇帝陛下を含めた3人でのお写真を撮り、写真撮影はすぐに終わった。
⸺⸺
帰り際、皇帝陛下がオスカー様へこっそりと耳打ちをしているのが聞こえてしまう。
「アーレンス王国の調査結果だが、王国は国民へ毎月異常な量の貢物をさせていたことが分かった」
「……そうですか」
「どうやらその国民の負担が“黒い地脈”を揺るがしておったようでな、貢物の負担を減らすよう王妃へ命令を下したところだ。全く、今まで“黒い地脈”が暴走せんかったのが不思議でしょうがないわい」
「……失礼ながら、フローラに全て聞こえておりますので、私共はこの辺で」
「何っ!? コソッと話したつもりであったが……フローラよ、お主は何も気にすることはないからのう」
皇帝陛下は慌てて私にそう告げた。
「はい……」
再び馬車に乗ると、すぐにオスカー様へ話しかけた。
「黒い地脈とは、一体なんなのでしょうか」
「皇帝陛下はなんと仰られていた?」
「あの、私は何も気にすることはない、と……」
「そう言うことだ。お声が大きかった皇帝陛下が悪いのは間違いないが、お前は知る必要のないことだ。お前は既にシュナイダー家の人間。アーレンス王家のことなどきっぱり忘れてしまえ」
「……はい」
黒い地脈。何だかすごく気になる言葉だったけど、オスカー様も皇帝陛下も気にするなと言っていたので、私は忘れることにした。
シュナイダー城に着くと、オスカー様に連れられて、まずは皇帝陛下に謁見をした。
「おぉ、お主がフローラか。それにしても制圧時、あの場に居なかったような気がするが……本当に王族なのか?」
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私、拘束なんてされていないけど……。
「なんと、そうであったか! ふむ、オスカーは既に自分の嫁は自分で捕まえておったか……。初めからフローラが良いならそう言えば良いものを。何が『結婚など私には必要ありません』だ。正しくは『エリーゼではなくフローラが良い』だろうが」
皇帝陛下はそう言うと、子供のようにふてくされた。
「べ、別にそういう訳では……」
オスカー様は少し顔を赤くしてうつむいていた。
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「……はっ」
そして、私とオスカー様のツーショットと、皇帝陛下を含めた3人でのお写真を撮り、写真撮影はすぐに終わった。
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帰り際、皇帝陛下がオスカー様へこっそりと耳打ちをしているのが聞こえてしまう。
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「……そうですか」
「どうやらその国民の負担が“黒い地脈”を揺るがしておったようでな、貢物の負担を減らすよう王妃へ命令を下したところだ。全く、今まで“黒い地脈”が暴走せんかったのが不思議でしょうがないわい」
「……失礼ながら、フローラに全て聞こえておりますので、私共はこの辺で」
「何っ!? コソッと話したつもりであったが……フローラよ、お主は何も気にすることはないからのう」
皇帝陛下は慌てて私にそう告げた。
「はい……」
再び馬車に乗ると、すぐにオスカー様へ話しかけた。
「黒い地脈とは、一体なんなのでしょうか」
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「あの、私は何も気にすることはない、と……」
「そう言うことだ。お声が大きかった皇帝陛下が悪いのは間違いないが、お前は知る必要のないことだ。お前は既にシュナイダー家の人間。アーレンス王家のことなどきっぱり忘れてしまえ」
「……はい」
黒い地脈。何だかすごく気になる言葉だったけど、オスカー様も皇帝陛下も気にするなと言っていたので、私は忘れることにした。
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