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22話 ステリア軍の凱旋
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クラウス率いるステリア軍は制圧したリーテン城を拠点に次はアンカード王国の攻略を目指した。
「暗駆の情報では、既にアンカード王国は滅んでいるんだったな」
と、クラウス。
「そうね。そのミラ教のアンカードに在住する戦力もおよそ1000。1時間もしないうちに制圧できると思うけど……」
「まだあの伝承の悪魔のような力を使う輩が残っているとも限らん。ここは慎重に全部隊を投入する」
「分かったわ。騎士団長の指示に従います」
そしてステリア軍がリーテン城を出発してアンカード王国へたどり着く頃には、ミラ教の信者たちは船に乗って次々とアンカードを脱出していくところであった。
クラウスは全軍に深追いすることを禁じ、ミラ教の信者たちは私たちが堂々とアンカードを制圧していく中、あっという間に国から姿を消した。
1人部隊に置いていた暗駆の情報によると、どうやらエイダ王女を名乗る女が“ミラ様”本人らしく、それが散った今ミラ教は既に機能しておらず、元信者らは母国へと帰って行ったのではないかとのことであった。
そのため1滴を血を流すこともなくアンカードの攻略に成功したステリア軍は、意気揚々と母国ステリアの王都ステリディアへと凱旋を果たした。
⸺⸺
その後のアンカードは、近辺諸国との同盟国会議でその土地の処遇に対する議論が行われた。
死者の魂が多数眠る廃墟であることから、どの国の所有にもせずに“中立廃都市”として、各々の国で毎年お祈りが行われることとなった。
そしてリーテン国王は、その同盟会議の中でリーテン王政の廃止を宣言した。
これにはリーテン王家の復興を支援しようとしていたステリア王国一同も皆驚きを顕にしたが、ジョン王子が既に廃人の抜け殻になってしまった以上、この先の王家の維持は難しいというリーテン国王の判断であった。
リーテン元国王はリーテン領土をステリア王国へと献上した。
すると驚くことに、ステリア王国のヨゼフ国王は、その地の統治を自国の騎士団長であるクラウス・ヴェルマーへと一任すると宣言したのである。
そしてクラウスに王族以外では初となる“公爵”の爵位が与えられたのである。
私とクラウスは、アンカード攻略の当事者であったため、本来国王のみが出席するこの同盟会議に顔を出していたが、思わぬ発表に2人とも度肝を抜かれた。
クラウスは咄嗟のことではあったが、“ヴェルマー公爵”として、元リーテンの地を“ヴェルマー領”と定め立派に統治していくと宣言した。
「暗駆の情報では、既にアンカード王国は滅んでいるんだったな」
と、クラウス。
「そうね。そのミラ教のアンカードに在住する戦力もおよそ1000。1時間もしないうちに制圧できると思うけど……」
「まだあの伝承の悪魔のような力を使う輩が残っているとも限らん。ここは慎重に全部隊を投入する」
「分かったわ。騎士団長の指示に従います」
そしてステリア軍がリーテン城を出発してアンカード王国へたどり着く頃には、ミラ教の信者たちは船に乗って次々とアンカードを脱出していくところであった。
クラウスは全軍に深追いすることを禁じ、ミラ教の信者たちは私たちが堂々とアンカードを制圧していく中、あっという間に国から姿を消した。
1人部隊に置いていた暗駆の情報によると、どうやらエイダ王女を名乗る女が“ミラ様”本人らしく、それが散った今ミラ教は既に機能しておらず、元信者らは母国へと帰って行ったのではないかとのことであった。
そのため1滴を血を流すこともなくアンカードの攻略に成功したステリア軍は、意気揚々と母国ステリアの王都ステリディアへと凱旋を果たした。
⸺⸺
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すると驚くことに、ステリア王国のヨゼフ国王は、その地の統治を自国の騎士団長であるクラウス・ヴェルマーへと一任すると宣言したのである。
そしてクラウスに王族以外では初となる“公爵”の爵位が与えられたのである。
私とクラウスは、アンカード攻略の当事者であったため、本来国王のみが出席するこの同盟会議に顔を出していたが、思わぬ発表に2人とも度肝を抜かれた。
クラウスは咄嗟のことではあったが、“ヴェルマー公爵”として、元リーテンの地を“ヴェルマー領”と定め立派に統治していくと宣言した。
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