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最終章 刻の軌跡
216話 次元の狭間からの贈り物
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次元の狭間の管理人は皆が目を丸くして注目する中、真っ白なローブをなびかせながらマイペースに話を進める。
「いやぁ、君のもとへ行こうとしたら途中でマーキングしておいた魔力が消えちゃうからビックリしたよ。魔力は空っぽだけど、身体は元気そうだね」
「うん、なんとか。あの時追加で魔力をもらえて助かったよ。あれがなかったらきっとダメだった」
「それなら良かった。そうだ、こんなのんびりしている暇はないんだ。君のもとにレオナルドと言う人物がいるだろう? 今ここには居ないようだね」
管理人はフードを左右に揺らし、辺りを見回す仕草を見せる。
「クロノの事だよね。クロノは今頃スティバン城の中に入っていった頃だと思うけど、どうかしたの?」
「実は彼も異世界転生の時に次元の狭間に置いていった物があるんだ。これがそう」
管理人は自身の前に光の球を作り出す。
「わぁ、これは? 魔力?」
ミオはその綺麗に輝く球を興味津々に見上げていた。
「これは、彼専用のユニークスキルだ。君で言うところの『聖魔力』や『聖霊使役』がそれに当たる」
「私の力ってそんな名前付いてたんだ……クロノのユニークスキルはどんなの?」
「彼の得たスキルは世界の根底を覆す恐れのあるものでね、次元の狭間の管理局で一時預かりとなっていたんだよ。むろん、彼の手に渡る前の話だから、彼はこの事を知らない。これは君に託すよ。どんなものかは自然と分かるはずだ」
管理人はそこまで言うと、光の球をミオの身体の中へと収めた。
「おぉぉぉぉ……!」
ミオはスキルの内容が脳内に流れ込み、独りで歓喜の声を上げる。
「今はそのスキルこそがこの世界の理を守るものと判断され、彼に返すこととなったんだ。念の為君の魔力にマーキングをしておいて良かったよ。それじゃ僕はもういかないとだから」
「ありがとう管理人さん。必ずクロノに届けるよ」
「うん、お願い。じゃぁ、またね」
次元の狭間の管理人はローブをひらひらとなびかせながら、ミオの頭上から消えていった。
「行っちゃった……」
ティニーがポカンとした表情を浮かべながらそう呟く。
「次元の狭間って管理局とかあるんだね……」
と、エルヴィス。クライヴが反応する。
「ミオちゃん曰く“何もないところ”のはずだけど……不思議な場所なんだね」
「ミオ、どんなスキルだったんだ!?」
ケヴィンが食い気味に迫る。
「あっ、それはお城に向かいながら説明するね。とにかく急がないと」
「ミオ疲れたでしょ。僕が背負っていくよ」
チャドがそう言って腰を落とすと、ミオは「ありがと~!」とお礼を言い彼の背中に雪崩込んだ。
そしてその場にいた一同はミオの説明に驚愕しながら、急ぎ足でスティバン城へと向かったのであった。
「いやぁ、君のもとへ行こうとしたら途中でマーキングしておいた魔力が消えちゃうからビックリしたよ。魔力は空っぽだけど、身体は元気そうだね」
「うん、なんとか。あの時追加で魔力をもらえて助かったよ。あれがなかったらきっとダメだった」
「それなら良かった。そうだ、こんなのんびりしている暇はないんだ。君のもとにレオナルドと言う人物がいるだろう? 今ここには居ないようだね」
管理人はフードを左右に揺らし、辺りを見回す仕草を見せる。
「クロノの事だよね。クロノは今頃スティバン城の中に入っていった頃だと思うけど、どうかしたの?」
「実は彼も異世界転生の時に次元の狭間に置いていった物があるんだ。これがそう」
管理人は自身の前に光の球を作り出す。
「わぁ、これは? 魔力?」
ミオはその綺麗に輝く球を興味津々に見上げていた。
「これは、彼専用のユニークスキルだ。君で言うところの『聖魔力』や『聖霊使役』がそれに当たる」
「私の力ってそんな名前付いてたんだ……クロノのユニークスキルはどんなの?」
「彼の得たスキルは世界の根底を覆す恐れのあるものでね、次元の狭間の管理局で一時預かりとなっていたんだよ。むろん、彼の手に渡る前の話だから、彼はこの事を知らない。これは君に託すよ。どんなものかは自然と分かるはずだ」
管理人はそこまで言うと、光の球をミオの身体の中へと収めた。
「おぉぉぉぉ……!」
ミオはスキルの内容が脳内に流れ込み、独りで歓喜の声を上げる。
「今はそのスキルこそがこの世界の理を守るものと判断され、彼に返すこととなったんだ。念の為君の魔力にマーキングをしておいて良かったよ。それじゃ僕はもういかないとだから」
「ありがとう管理人さん。必ずクロノに届けるよ」
「うん、お願い。じゃぁ、またね」
次元の狭間の管理人はローブをひらひらとなびかせながら、ミオの頭上から消えていった。
「行っちゃった……」
ティニーがポカンとした表情を浮かべながらそう呟く。
「次元の狭間って管理局とかあるんだね……」
と、エルヴィス。クライヴが反応する。
「ミオちゃん曰く“何もないところ”のはずだけど……不思議な場所なんだね」
「ミオ、どんなスキルだったんだ!?」
ケヴィンが食い気味に迫る。
「あっ、それはお城に向かいながら説明するね。とにかく急がないと」
「ミオ疲れたでしょ。僕が背負っていくよ」
チャドがそう言って腰を落とすと、ミオは「ありがと~!」とお礼を言い彼の背中に雪崩込んだ。
そしてその場にいた一同はミオの説明に驚愕しながら、急ぎ足でスティバン城へと向かったのであった。
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