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第二章 真実と恋の探求
19話 男だろうが何だろうが
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翌日から、私は任務が終わると白狼騎士団の資料室にこもるようになった。
自分で調べられることは調べないと。
入団していきなりこんなことしてたらスパイだって思われるかもだけど、今は、それ以外にちゃんとした理由がある。
私はこの白狼騎士団のために、昔の白狼騎士団のことをもっと知りたい。なぜ再建中なのか、なぜこんなにも人数が少ないのか。私がこの白狼騎士団のためにできることはないのか。
それを探っているうちに、真実に近付けるような、そんな気がして……。
⸺⸺
調べていると、白狼騎士団はかなり歴史が古いことが分かった。
昔は万を超える数の団員がいて、宿舎もここではなく城の北側一面に宿舎があったらしい。
それなのに今は私たち新人含めて79名。昔は女性の団員もたくさんいたのに、今は男性のみ。
「あっ、もうこんな時間か……」
そろそろ寝ないと。寝不足で同期の2人に迷惑をかけるのだけはダメだ。
私はキリをつけて資料室を後にした。
⸺⸺
オフの日。今日は1日資料室にこもっている。
さすがにラスさんに事情を聞かれたので、騎士団総会のときに全然この国のことを知らなくて恥ずかしくなったから知識をつけたいって言っておいた。まぁそれも嘘じゃないし。
すると、ある人物が資料室へと入ってくる。
「よっ、ルカ。今日もやってんな」
「ブラッド……それは?」
彼は小さな紙袋をつまんでおり、それをそのまま私のいる机の上へ置いた。
「叔母さんからの差し入れだよ。今度はお前が全然顔出さねーって、心配してたぞ?」
「女将さんが? うわぁ、美味しそうなメロンパン!」
「あの、さ」
ブラッドはそこまで言いかけてモジモジしている。
「ん? どうしたの?」
「俺だって心配してんだよ。お前のこと」
そう言うブラッドの顔は少し赤くなっていた。
「し、心配って、ただこの白狼騎士団の歴史を勉強してるだけだってば」
「なら、俺も一緒に勉強する」
「ちょ、何で!?」
「俺だって平民で、正直騎士団の仕組みとか全然知らなかったし、必要ではあるだろ」
ブラッドはそう言うと私の隣に座り、紙袋の中のメロンパンを1つ取ってかじった。
「あぁ、僕のメロンパン……」
「まだたくさんあるっての、ほらよ」
「うん、ありがとう……でも、ブラッドは何でそこまで僕の心配してくれるの?」
私もそう言ってメロンパンをかじる。んー、美味しい。
「それは、その……お前が可愛いから……」
「!? ごほっ……!」
ブラッドの予想もしていなかった一言に、メロンパンが変なところに入ってしまってむせる私。
「っ……どうせお前は男だー、とかって言うんだろ? 分かってんだよ、んなことは。けど、男だろうが何だろうが、可愛いもんは可愛いんだよ。それに、大事な同期だしさ。力になりてえって思うのは当然だろ」
「ブラッド……」
そう言えば私、可愛いなんて言われたの人生で初めてかもしれない……。
私は嬉しくなってメロンパンをかじりながらついついはにかむと、ブラッドも顔を真っ赤にしながら微笑んでいた。
「で、古いところからいってんのか?」
「そう。初めからちゃんと学ぼうと思って」
「そか、どの辺までいったんだ? 俺も急いで追いつく」
「えっとね、この辺……」
「了解」
私たちは楽しく会話をしながら、白狼騎士団の歴史をどんどんと学んでいった。
自分で調べられることは調べないと。
入団していきなりこんなことしてたらスパイだって思われるかもだけど、今は、それ以外にちゃんとした理由がある。
私はこの白狼騎士団のために、昔の白狼騎士団のことをもっと知りたい。なぜ再建中なのか、なぜこんなにも人数が少ないのか。私がこの白狼騎士団のためにできることはないのか。
それを探っているうちに、真実に近付けるような、そんな気がして……。
⸺⸺
調べていると、白狼騎士団はかなり歴史が古いことが分かった。
昔は万を超える数の団員がいて、宿舎もここではなく城の北側一面に宿舎があったらしい。
それなのに今は私たち新人含めて79名。昔は女性の団員もたくさんいたのに、今は男性のみ。
「あっ、もうこんな時間か……」
そろそろ寝ないと。寝不足で同期の2人に迷惑をかけるのだけはダメだ。
私はキリをつけて資料室を後にした。
⸺⸺
オフの日。今日は1日資料室にこもっている。
さすがにラスさんに事情を聞かれたので、騎士団総会のときに全然この国のことを知らなくて恥ずかしくなったから知識をつけたいって言っておいた。まぁそれも嘘じゃないし。
すると、ある人物が資料室へと入ってくる。
「よっ、ルカ。今日もやってんな」
「ブラッド……それは?」
彼は小さな紙袋をつまんでおり、それをそのまま私のいる机の上へ置いた。
「叔母さんからの差し入れだよ。今度はお前が全然顔出さねーって、心配してたぞ?」
「女将さんが? うわぁ、美味しそうなメロンパン!」
「あの、さ」
ブラッドはそこまで言いかけてモジモジしている。
「ん? どうしたの?」
「俺だって心配してんだよ。お前のこと」
そう言うブラッドの顔は少し赤くなっていた。
「し、心配って、ただこの白狼騎士団の歴史を勉強してるだけだってば」
「なら、俺も一緒に勉強する」
「ちょ、何で!?」
「俺だって平民で、正直騎士団の仕組みとか全然知らなかったし、必要ではあるだろ」
ブラッドはそう言うと私の隣に座り、紙袋の中のメロンパンを1つ取ってかじった。
「あぁ、僕のメロンパン……」
「まだたくさんあるっての、ほらよ」
「うん、ありがとう……でも、ブラッドは何でそこまで僕の心配してくれるの?」
私もそう言ってメロンパンをかじる。んー、美味しい。
「それは、その……お前が可愛いから……」
「!? ごほっ……!」
ブラッドの予想もしていなかった一言に、メロンパンが変なところに入ってしまってむせる私。
「っ……どうせお前は男だー、とかって言うんだろ? 分かってんだよ、んなことは。けど、男だろうが何だろうが、可愛いもんは可愛いんだよ。それに、大事な同期だしさ。力になりてえって思うのは当然だろ」
「ブラッド……」
そう言えば私、可愛いなんて言われたの人生で初めてかもしれない……。
私は嬉しくなってメロンパンをかじりながらついついはにかむと、ブラッドも顔を真っ赤にしながら微笑んでいた。
「で、古いところからいってんのか?」
「そう。初めからちゃんと学ぼうと思って」
「そか、どの辺までいったんだ? 俺も急いで追いつく」
「えっとね、この辺……」
「了解」
私たちは楽しく会話をしながら、白狼騎士団の歴史をどんどんと学んでいった。
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