箱入りの魔法使い

しゅん

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ジュリ

逃げ道

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あの日、王城が倒壊してからミスノルフさんが王を選出して欲しいと国民に訴えていた。

そこで見事に周りの人から支持を受けて王になり、国を統治した。

ミスノルフさんにやらないのか、と聞いたがそういうのは向いていないと自分から辞退して行った。

今もまだ護衛団のトップして守ってもらっている。

そして今まさにその出番なのだ。

「最近よく国荒らしが流行っているが、進行方向的に次はこちらなのだ。私には全国民を守るほどの力は無い」

ミスノルフがそれに返す。

「国の頭が弱気になんてなるな、俺がいる」

しかし私は頭の奥底で次は私の番なのだと分かっていた。

ミスノルフさんはそれから逃れたくて...と考えずにはいられない。

「俺が向かい打とう、何を言おうと最後の仕事になりそうだ」

「待ってください、いや待て。ミスノルフには今すぐ民をまとめて国から出ていくんだ」

「何を言って──」

「あなたには意味がある。それに比べ私は、弱く、迷惑な者だ。一度、この国をこの城の頂上から見てみたかった。それをさせてくれたのはここの民であり、それは私の民だ。全員の知らぬ間に死にたい訳では無い。私は──」

「──意味ならありますよ、あなたこそ、やはり王にふさわしい」



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