箱入りの魔法使い

ジュリ

カード

魔法は打てる。ファミリアを使うことも出来る。

奴の目的は僕たちの足止め。

相手が動かないのならまずは時間を使ってこの固有魔法がどんな能力なのか分析しなければならない。

「あいつ知ってるよ、確か番号102番のハリスって奴だよ。固有魔法は...見た感じだと磁石？」

ニィナがそんなことを言った。

「前の決闘でも出てたけど、もの作ったり、相手を固定したり」

「なんだ、なら俺の出番だ」

ハリスは多分この地面にある鉄分と体内の鉄分でプラスとマイナスを作ってる。

それで足だけ固定されてるんだ。

「俺に任せろ」

ジャックの得意分野だ。

───

「これでぇ、俺は大金持ちぃ」

パキパキと小枝を折る音がする。

歩いて近づいてくる音だ。

この状態で歩けるはずがない。

「お前、俺たちを甘く見すぎじゃないか？」

確か前入学したジャックってやつだ。

「なっなんでぇ！」

よく見るとジャックの頭の上に土で出来た冠のようなものが浮いている。

「ある程度の土固めたら勝手に宙に浮いたぞ。しかも足も軽くなった」

多分こいつの固有魔法か何かで上の土と地面の土で同じ磁力で反発してる。

だからこいつに固定は効かない。

「いやぁ甘く見てるのはお前の方だぜぇ」

突然ジャックの体から血が出てきた。

「なんだ、何故血が出る！？」

「俺はよぉ、鉄が大好きなんだぁ」