箱入りの魔法使い

陥落

それしか

「君には地上でやって欲しいことがあるんだ、くれぐれもこの事は内密にね」

私の名はククルス。クレイモア様の手下、手駒の一人。

私はクレイモア様に言われたことだけやればいいのだ。

目が覚めるとそこはもう地上だった。

流石はクレイモア様、そういう事もできるようだ。

私のミッション、それは──。

───

マイナスオー、人を凍らせることなど容易い絶対零度の固有魔法。

多分ナツさんは俺の事を行動不能にするはのが目的だろう。

しかし俺にはザ·ファーストの効果で魔法は効かない。

それだけでは俺に届かない。

何をする気だ。

「極」

ナツさんのその合図と共にこの空間は一瞬にして氷で覆い尽くされた。

雪山ができ、吐く息は白色になった、

「そんなもの今更っ！」

体は動く、少し寒いが...。

...寒い？

そういう事か。

これは魔法ではなく魔法によって出来た結果。

ナツさんは環境ごと変えたんだ。

寒いと俺は感じてしまっている。

この寒波が加速すれば、必ず凍死、遂には凍結が起こる。

早く終わらせねば！

「残念だよ」

地面が割れ、土が大量に出てきた。

その土は俺の周りを囲い始め、一切の穴のない密閉空間が出来て、俺はそこに閉じこめられた。

いや、壊せる──。

「壊せないよ、そろそろだ、マイナス273度」
 
まずい、土のカバーに氷が出来ていくのが分かる。

「悪趣味な！」

氷はますます速度を上げ完全に土の部屋を密封した。

「くそ、寒いな」

泥が、見る。