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陥落
蛾
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「あれ、プレリュードさんいない」
体感1年くらい精神世界にいただろう、色が目に懐かしい。
しかし時計を見ると入った時から三時間程しかたっていなかった。
倉庫の扉から声が聞こえる。
プレリュードさんの声だ。
それにもう1人、女の子の声がする。
僕は覗くようにドアの隙間から中を見た。
「──もうすぐだ、ジュリ、もうすぐ自由にしてやるから」
「──じゆう...」
その女の子はまだ発達が遅れてるのか発音があまり流暢ではなかった。
「しかしリッカにあれを使わせるのは失敗だったな、これじゃあ意味が無い」
どういうことだ?
意味ならあった、大事なものに気づいた、手を取りあった。
「さぁ、お休みの時間だ」
「!!」
僕は驚いた。
振り向く途中に微かに見えたのだ。
あの子の額には目があった。
「どういうことだ...」
───
「お、帰ってきてたかリッカ」
僕は何となくさっきの子のことは言わない方がいいと思い、今帰ってきたというのを装った。
「んで、どうだった」
「最高ですよ」
「そいつぁよかった」
僕は空の穴を目指す方法を考えていた。
あそこにカイブがいる。
しかしまずは王城へ向かう。
「ありがとうございました、プレリュードさん」
「そういや、お前これから何すんだ」
僕は何故か言うのを躊躇った。
「あっ...あー、内緒です」
ここから王都へは腫瘍を使えば10分程度だろう。
「待っていてください、ナツさん」
───
「...ん?」
「どうしたの」
「いや、誰かが僕の噂でもしてるのかもね」
「それでどうやって上に行くの」
「僕を誰だと思ってるのさ」
そう言ってナツは笑っていた。
そうだったこいつはこういう奴だ。
これは空中浮遊の魔法だろう、ナツはぐんぐん空へ上がっていく。
「ほらカチナちゃんも」
私たちは空の穴へと入った。
体感1年くらい精神世界にいただろう、色が目に懐かしい。
しかし時計を見ると入った時から三時間程しかたっていなかった。
倉庫の扉から声が聞こえる。
プレリュードさんの声だ。
それにもう1人、女の子の声がする。
僕は覗くようにドアの隙間から中を見た。
「──もうすぐだ、ジュリ、もうすぐ自由にしてやるから」
「──じゆう...」
その女の子はまだ発達が遅れてるのか発音があまり流暢ではなかった。
「しかしリッカにあれを使わせるのは失敗だったな、これじゃあ意味が無い」
どういうことだ?
意味ならあった、大事なものに気づいた、手を取りあった。
「さぁ、お休みの時間だ」
「!!」
僕は驚いた。
振り向く途中に微かに見えたのだ。
あの子の額には目があった。
「どういうことだ...」
───
「お、帰ってきてたかリッカ」
僕は何となくさっきの子のことは言わない方がいいと思い、今帰ってきたというのを装った。
「んで、どうだった」
「最高ですよ」
「そいつぁよかった」
僕は空の穴を目指す方法を考えていた。
あそこにカイブがいる。
しかしまずは王城へ向かう。
「ありがとうございました、プレリュードさん」
「そういや、お前これから何すんだ」
僕は何故か言うのを躊躇った。
「あっ...あー、内緒です」
ここから王都へは腫瘍を使えば10分程度だろう。
「待っていてください、ナツさん」
───
「...ん?」
「どうしたの」
「いや、誰かが僕の噂でもしてるのかもね」
「それでどうやって上に行くの」
「僕を誰だと思ってるのさ」
そう言ってナツは笑っていた。
そうだったこいつはこういう奴だ。
これは空中浮遊の魔法だろう、ナツはぐんぐん空へ上がっていく。
「ほらカチナちゃんも」
私たちは空の穴へと入った。
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