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転入生
浮く
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この場に錬金するために必要な媒体がある限り相手に地の利がある。
なら有利に進めるなら空だ。
「!?」
僕は足の鎧で相手の懐に入り込む。
咄嗟に防御壁を作るが、腕にも鎧を纏わせそれごと持ち上げる。
「空中なら君の大好きな連勤も出来ないわけだ」
後は防御壁さえ突破すれば地上に落ちる間は無防備。
一撃で仕留める。
魔法剣に鎧を纏わせる。
「くっ...!」
やはりここまで腫瘍を使うと負荷もすごい。
───
「今から暇かい?リッカ君」
「珍しいですね、ナツさんから誘いなんて」
それは学校が修繕で休校してた時、朝にナツさんが話しかけてきた。
「いやね、君の力はすごく強いんだけど、危険性もある。使わせたくないってのが本音だけどいざと言う時には必ず必要になる力だ、しかもリッカ君の魔力量は子供のように少ない、だから特訓しようと思ってね」
もちろん僕はそれに乗った。
ナツさんの言う通りだし、他の人に危害は加えたくない。
もうあんなことはごめんなんだ。
サフィのことを思い出す。
あの顔、傷、僕の求めているものとは真反対にある。
「ここら辺でいいか」
「そういえばナツさんが僕を特訓してくれるんですか?戦いは嫌いって言ってましたが」
この人と戦えるのならありがたいが、振る舞いからして今回もそんなことでは無いようだ。
「まずは魔法剣かな」
「魔法剣ですか...」
本で見た、できないはずは無い。
あれは中級魔法、つまり十歳程度の人間なら使えて当たり前の魔法だ。
僕がまだカイブといた時はよく使っていた。
しかしこれは形状維持に魔力の消費が激しいから好まないのだ。
僕はすんなりと魔法剣を作った。
「ふぅん...」
普通の魔法剣のはずだがナツさんは何かありげに見つめてくる。
「もしかしてリッカ君、魔法下手くそ?」
キッパリ言われた。
確かに箱入りだから下手かもしれないが、負けじとちょっと変化を入れてみる。
「まぁ出来なくても大丈夫だよ、今から君にそこら辺を上手く伝えるね」
恥ずかしい。
その後ナツさんが教えてくれたのは魔法剣の形状は維持するのではなく、循環させることらしい。
「そうだな、上手く言うなら見えない箱を作る感じだね、箱がなければ魔法は空気中に散らばってしまって形状を維持できない。箱があれば魔法は散らばらなしさらにその中で循環させれば攻撃力も変わるし魔力の温存にもなる」
今まで本ばかりを読んで、独学で全てやってきた。
「分かりやすいですね、ナツさん」
人から教わるってのはいいものだ。
昔はよくカイブに魔法を教えてと言っていたが彼は1度も教えてくれなかったし、彼の魔法すら見たことない。
『ねぇカイブ、魔法教えてよ!』
『リッカ様はもう少し魔法より剣技の方を何とかしてくだされ』
『ケチー』
そこでカイブがはぁとため息をついた後、仕事があるので、と僕から逃げるようにどこかへと行くのだ。
「懐かしいなぁ」
そして空を見上げる。
お母さんもそこにいるんだろう?
その穴を見て、未来を思い馳せる。
なら有利に進めるなら空だ。
「!?」
僕は足の鎧で相手の懐に入り込む。
咄嗟に防御壁を作るが、腕にも鎧を纏わせそれごと持ち上げる。
「空中なら君の大好きな連勤も出来ないわけだ」
後は防御壁さえ突破すれば地上に落ちる間は無防備。
一撃で仕留める。
魔法剣に鎧を纏わせる。
「くっ...!」
やはりここまで腫瘍を使うと負荷もすごい。
───
「今から暇かい?リッカ君」
「珍しいですね、ナツさんから誘いなんて」
それは学校が修繕で休校してた時、朝にナツさんが話しかけてきた。
「いやね、君の力はすごく強いんだけど、危険性もある。使わせたくないってのが本音だけどいざと言う時には必ず必要になる力だ、しかもリッカ君の魔力量は子供のように少ない、だから特訓しようと思ってね」
もちろん僕はそれに乗った。
ナツさんの言う通りだし、他の人に危害は加えたくない。
もうあんなことはごめんなんだ。
サフィのことを思い出す。
あの顔、傷、僕の求めているものとは真反対にある。
「ここら辺でいいか」
「そういえばナツさんが僕を特訓してくれるんですか?戦いは嫌いって言ってましたが」
この人と戦えるのならありがたいが、振る舞いからして今回もそんなことでは無いようだ。
「まずは魔法剣かな」
「魔法剣ですか...」
本で見た、できないはずは無い。
あれは中級魔法、つまり十歳程度の人間なら使えて当たり前の魔法だ。
僕がまだカイブといた時はよく使っていた。
しかしこれは形状維持に魔力の消費が激しいから好まないのだ。
僕はすんなりと魔法剣を作った。
「ふぅん...」
普通の魔法剣のはずだがナツさんは何かありげに見つめてくる。
「もしかしてリッカ君、魔法下手くそ?」
キッパリ言われた。
確かに箱入りだから下手かもしれないが、負けじとちょっと変化を入れてみる。
「まぁ出来なくても大丈夫だよ、今から君にそこら辺を上手く伝えるね」
恥ずかしい。
その後ナツさんが教えてくれたのは魔法剣の形状は維持するのではなく、循環させることらしい。
「そうだな、上手く言うなら見えない箱を作る感じだね、箱がなければ魔法は空気中に散らばってしまって形状を維持できない。箱があれば魔法は散らばらなしさらにその中で循環させれば攻撃力も変わるし魔力の温存にもなる」
今まで本ばかりを読んで、独学で全てやってきた。
「分かりやすいですね、ナツさん」
人から教わるってのはいいものだ。
昔はよくカイブに魔法を教えてと言っていたが彼は1度も教えてくれなかったし、彼の魔法すら見たことない。
『ねぇカイブ、魔法教えてよ!』
『リッカ様はもう少し魔法より剣技の方を何とかしてくだされ』
『ケチー』
そこでカイブがはぁとため息をついた後、仕事があるので、と僕から逃げるようにどこかへと行くのだ。
「懐かしいなぁ」
そして空を見上げる。
お母さんもそこにいるんだろう?
その穴を見て、未来を思い馳せる。
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