死に損ないの春吹荘 

ちあ

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七章 春吹荘崩壊

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 んー!よく寝た!
 起きるとみんなはぐったり。
 あれ?寝れてなかったのかなぁ?なんて思いながらも、みんなはだんだんだんだん、春吹荘が近づくに連れて、険悪ムードを和ませていった。
 うん、なんかみんな、春吹荘にそーゆーのは持ち込みたく無い系かな?
 いや、外でもやめて?





 荷物を抱えて、春吹荘に帰ると、そこには……
 大きな、工場の車があった。
「えっ……」
 シャベルは動き、今にも外壁を壊そうとする。
 止めにソラが入ろうとした、その時。
 宵衣先輩が駆け出した、かと思うと、車の前に出る。
「っ! 嬢ちゃん退きな」
「……壊すな」
 キッ!と、宵衣先輩は、おじさんを睨み付ける。
「こちとら、仕事だ」
「こっちは住民だ。 話は聞いてないんだよ」
「こっちも聞いた話と違う。 退いてもらわなきゃ、困るんだよ」
 おじさんは、そう言う。
 なんで、工事が?
 というか、これって取り壊し?
 灰咲先生は、雪芽さんにおいっ、などと言い、雪芽さんは雪芽さんで、スマホをいじっては、焦っている。
 な、なに?
 なにが起きてるの?
 困惑している私を他所に、ソラはスマホでいろいろなページを開きまくる。
 ユウは、さっさと歩いていって、近くの担当の人?に、声をかけている。
 瞬先輩はというと、誰かに電話をかけているらしい。
 もう……なんなの……?
「ねぇ、おじさん」
「なんだい」
「ここを壊すなら、ボクも壊してよ。ここを消すなら、ボクも消してよ……ねぇ」
 ふふっ、ふふふっ……宵衣先輩は笑う。
 なに、なんなの?
 ここ、いきなり壊されてるし、宵衣先輩は、もうなんかおかしいし、わけわかんない!
「おい、止まれ」
 と、担当の人が言う。
 なんとか、ユウが説得できたらしい。
「おいっ」
 瞬先輩は、電話口で怒鳴る。
 うぅ、カオス!!!
 誰か説明、プリーズっ!
「そんなの聞いてない。お前……っ」
『そんなこと言われても困るっての。あいつもあいつでいねーんだよぉ』
「知らない。出せ」
『出せ、じゃねー。仕事中だって引きこもってんだよぉ~』
「……人間殺したとてそう言うのか?」
『え、ど、どういうことだ?』
「このままだと、一人くらい、人死ぬ」
 などと話してるけど相手誰ー?
 話し方的に、バカらしい。
 う~ん……、あ、真文先輩かっ。
 納得だ。
 

 ……ん、待って?
 今更すぎるんだけどさ、
「え、神坂先輩どうなった?!!?」
「「「「それ!」」」」
 わぁお、先生、雪芽さん、ユウ&ソラがハモるよ。ハモる。
「え……と?」
 おじさん困惑。宵衣先輩、威嚇中。
 もうなんなのこれ。
「この中、まだ人いるよっ?!?」
「「「え?」」」
 ですよねー!
 マジか。マジかぁ~。
 その隙に急いで、宵衣先輩が、中に駆け込む。
 工事の皆さんが入れないようにしてたのに、それ無視で入りますか。
 うん、さすがです。
 もういいや。つっこまないよ。
「……えと、帰りますね。後で問い合わせします。 器具は……」
「おいておいていーっすよ? まぁ今度取りに来てくれれば」
 なんて灰咲先生が言っているのを他所に、私たちは中へ。
 うっわー。
 そこそこ汚い。
 うん、多分、外からガチャガチャやられたから、揺れとかそーゆーので色々破損してんな。
 うっそぉ……。
 ただ、旅行?に行ってたら、こーゆーめにあうの?え?
 ……春吹荘特殊すぎん?



その頃の、隆はというと、


 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
 え?なんで?なんでなんで???
 なんで人がいるの?
 って、え……?
 揺れてるし!なんで???
 ちょ、怖……。 
 工事とか聞いてない。
 みんなもいない。
 どうしよう、どうしよう。
「しぃ~……」
「クゥン」


 混乱していました。
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