上 下
24 / 32
棚から牡丹餅

夢と現実のはざま

しおりを挟む
幼い頃に繰り返し見た夢
夢の中で、夢とわかる。

部屋、ベッド、布団全てが白い世界。
重く、動かない小さな身体。
鈍い痛みが続き、息をするのも苦しい。

メイドなのか?不思議な白い服を着た女の人は、
話しかけてくれたり、
身体の向きを変えてくれる。

何も出来ない。

ただ、そこに存在するだけ。

ごくたまにくる男女が、ベッドの横に腰を掛け
泣いて謝ってくる

謝るより、笑ってほしい。
楽しい話をしてほしい。

何に謝罪しているのか??

見るのも辛いと言うなら、来なければ良いのに??


そんな俺?の唯一の楽しみは
箱の中で、青い雪ダルマが取り出す
色々な魔道具
周りを幸せにする道具たち

欲しい‥‥‥

あの魔道具、が欲しい‥‥‥

みんなを幸せにしたい。




眼を開けると
久しぶりに訪れたローリック家のタウンハウスの天井。


何を目指すのか?

何が欲しいのか??

家族の笑顔が欲しい。

自由に外を飛び回れる身体が欲しい。

夢の中の自分は、
ただ、それだけだった。



夢から覚めた俺は、その2つは手元にある。

では、次は

青い雪ダルマのポケットがあったら‥‥‥

どこにでも行けるドアがあったら‥‥‥

空を飛べる羽があれば‥‥‥‥


作れるだろうか??

作れているだろうか?

みなを笑顔に出来る道具を




幸せだ。
外に自由に出れる自分の身体。
厳しいながら、愛情をたっぷりと掛けてくれる両親。

贅沢だな

どんどん欲が深くなる。

いま望むのは
愛する人を手にするための地位、権力。

それを望むことも許された。

得るための義務が存在する。

何を逃げていたんだろう??

何も持っていなかった夢の中の自分。

誰からも期待されず、存在する事だけを望まれた自分。


なんて、贅沢になったんだろう‥‥‥

自分で考え、行動できる身体。
サポートしてくれる家族も、愛する人すらいる。

幸せ

逃してなるものか。何一つ

手元にある全てを手に入れる!!

夢の中の自分が

夢に見ることさえ出来なかった自分が、今ここにいる。

ありがとう!!

思い出させてくれた。

夢に感謝を込めた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。

hoo
恋愛
 ほぅ……(溜息)  前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。     ですのに、どういうことでございましょう。  現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。    皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。    ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。    ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。    そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。    さあ始めますわよ。    婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。       ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆     ヒロインサイドストーリー始めました  『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』  ↑ 統合しました

恋とはどんなものかしら

みおな
恋愛
レティシアは前世の記憶を持ったまま、公爵令嬢として生を受けた。 そこは、前世でプレイした乙女ゲームの世界。しかもヒロインである妹を苛める悪役令嬢として。 このままでは断罪されてしまう。 そして、悪役令嬢は運命に抗っていく。 ***** 読んでくださってる方々、ありがとうございます。 完結はしましたが、番外編を書く可能性のため、完結表示は少し延期します。

乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる

レラン
恋愛
 前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。  すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?  私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!  そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。 ⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎ ⚠︎誤字多発です⚠︎ ⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎ ⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎

婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます

葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。 しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。 お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。 二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。 「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」 アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。 「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」 「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」 「どんな約束でも守るわ」 「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」 これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。 ※タイトル通りのご都合主義なお話です。 ※他サイトにも投稿しています。

悪役令嬢、第四王子と結婚します!

水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします! 小説家になろう様にも、書き起こしております。

【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~

鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

気がついたら乙女ゲームの悪役令嬢でした、急いで逃げだしました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 もっと早く記憶を取り戻させてくれてもいいじゃない!

処理中です...