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第二章 リリアーヌ

婚約者??

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お母様が王の義母妹なのは、知っていた。
だけど、法律を改正してまで、
母と結婚しようとしたり、
他の男性に母をとられないために
病弱だからと嘘までついて、学院に行かせず軟禁したり。
はっきり言って気持ち悪い!!

それもこれも
白龍の愛し子である母を王家に縛り付けるためだと。

国に縛り付けるなら、法を改正して女王にすれば良かったのに、
変な欲をかくから、自分が逃げ出せる隙が出来たのだと、
母は笑った。

さっさと好きな人の所に押し掛けて結婚をしてしまい、
文句を言ってきた王に、
「私が『愛し子』だと発表すれば、国民は誰を王位に付けようとしますでしょうか?
『愛し子』を隠匿し、年の離れた兄王と結婚させるなんて、貴族たちにも反発されるのでは??
それに、神である白龍が私の傍にいる以上、教会も私につきますよ」
と言って脅した。

さらに、王が公表していた学院にもいけないほどの病弱な姫。という事を盾に、
病気療養のためと、父と領地に引きこもり、一切の社交を拒否した。

さすが、お母様!!

陛下は、お母様の性格を知らなかったのかしら??


でも、その後が解せない。

なぜ、私に婚約者がいるのだろうか?
第三王子??誰それ?
今まで存在すら知らなかったのだが……

「お父様が陛下に情けをかけちゃったのよね。リリアーヌごめんなさいね。
もしイヤなら解消も出来るから、とりあえず会ってみて。」

まぁ、お母様と違って好きな人はいないですし、
私が爵位を継げない以上、誰かに婿に入ってもらわなければいけないし……

とりあえず、会ってみないと
なんとも言えないです。

「リリアーヌ。申し訳ない。
私がキチンと陛下にお断りを出来ればよかったんだが、すまない。」

お父様に謝られる。
なんか、かわいそう。
きっとお母様と王家の間に入って大変な思いをしたんだろう………

「大丈夫です。お父様。
実際にお会いしてみて、イヤだったら断れるのですよね。なら、良いですわ。」

そう。貴族として生まれてきたからには、
多少の我慢も義務のうちだ。

「あぁ、例え爵位を返上しても、リリアーヌを守るから、そこは安心してくれ」

いやいや、それ安心できないでしょ!!

父様の横で母様がコロコロ笑ってる。

「そうそうリリアーヌ、白・黒魔法を王都では使ってはいけませんよ。
そうしないと、もしもの時に婚約破棄が出来なくなってしまうわ。
貴方も愛し子なのだとバレたら、今度こそ王は離さないと思うの。
だから、転移を使わず馬車で時間を掛けて行くのです。
この国では、白・黒魔法は稀有。
そして貴族でも2~3色の魔法しか使えないの。
大くの色の魔法を使うと、騒動を招く可能性があるから、充分に気をつけてね」

お父様も魔力は多く赤・青・茶・黒魔法を使える。
母は黒・茶・緑以外を使える
それは、かなり珍しいらしい。

魔法の使い方については、教皇様と話し合いがもたれることになった。

父母の話を聞き、
楽しみにしてた王都の生活が急にイヤになってきた。


馬車の移動といっても、乗り降りの時にいれば良いだけなので、馬車の中で転移を使って教会や辺境伯領に行ったり、
屋敷の中では好きにして良い。と承諾は掴みとった。

全く学院生活が想像出来ないが、
せっかく行くのだから楽しもう!!


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