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決定事項??
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「おはよう」
声をかけて椅子に座る。
「おはよう、アリア。よく寝ていたね」
「おはよう」
私の分のスープを用意しながら挨拶を返してくれた。
今の両親。
きっと悪人ではない。と思う。
この時代……生きるだけでも大変なんだ。
変態(で、あろう)に売られなくても、
ある程度の年齢になると、住み込みで働きに出るのは普通であり、
働く。と、言っても給金なんかほどんど出ない。
だから、しかたがないのだろう。
「アリア、兄ちゃんたちにも話をしたんだけど、
最近は、この辺でも人さらいが出るらしいんだよ。
危険だから、外に出る時は俺たちか兄ちゃんたちと一緒に出ないとダメだぞ!!
水汲みもしなくて良い……
なるべく家にいるんだ」
父から命令された。
売られるのは決定したんだな。
「はい」
下を向いてスープを飲む振りをした。
上を向けない。きっとひどい顔をしているだろうから‥‥‥
「じゃ、俺たちは仕事に行くから、リンデルの事は頼んだぞ。
いいな、外に出るなよ!!」
念を押して、
両親と兄たちは席を立った。
さすがに気まずいのだろう。
いつもよりも早いのに、みんなサッサと家を出ていった。
一人になって考える。
リンデルは起きてこない。
「はぁ~、やんなっちゃうなぁ‥‥
せっかく貰ったチートなのに」
言葉として出す。
やる事を考えよう、
親に売られるぐらいなんだから。
私から、家族を捨てても良いよね。
3歳って何が出来たっけ??
あと3年って事は、小学校に入る年齢までがリミットだよね。
前の時代の幼稚園時代を考える。
私の通っていた幼稚園は、いわゆる勉強系。
〇〇方式とか、少し前に話題になった保育園に近い幼稚園だった。
えっと‥‥‥
チートなんか持ってなくても、
跳び箱8段飛べたよね。鉄棒は背の届かない棒にスイングから登って、ぐるぐる回れた。
バク転は私は出来なかったけど、妹は卒園の前に出来るようになってた。
勉強は、足し算引き算は二けたまで出来たかな?
九九や百人一首も暗唱したなぁ~
平仮名はもちろん、漢字は……2年生ぐらいまでは読み書きできたはず。
あれ??
意外と出来る。幼児って覚えるの早いんだよね。忘れるのも早いけど。
卒園式で園長先生から、
「私たちは、お子様方を何処に出しても恥ずかしくないように教育しました。
あとは、お家での責任です。お母さん、頑張ってください」
と、送辞をくれた。
忘れるの、早かったのも実感している。
卒園の時は覚えていたはずの九九を2年生で学習するときには苦労した。
あんなにすぐに覚えたのに、いざ勉強となると難しく感じてしまった。
1年生をのんびり過ごしている間に、色々と零れ落ちてしまっていたみたいだ。
そんな失敗の実体験もある。
よし、今はチートもあるんだ!!
昔の私に出来たことなら、今も出来る!
絶対に逃げ切れる!!
まず、何をするか考えよう……
「アーちゃ、おはよー」
グルグルと考えていると、リンデルが起きてきた。
かわいいなぁ~
前も姉と妹もいたけど。
やっぱり妹はかわいすぎる
「おはよう、リン。
スープ持ってくるから、座ってて」
火の使用は禁止されているが、冷めたスープはリンには丁度良い。
よそってあげると、
テーブルに置いてあったパンを浸しながら食べてる
小動物みたい。
モグモグしている。
この子も一緒に連れていきたいけど……
それは、無理だろう。
ちゃんと逃げられたら、
お金を稼いで送ろう!!
うん。きっと頑張れる。
だって、私はお姉ちゃんだもん!!
声をかけて椅子に座る。
「おはよう、アリア。よく寝ていたね」
「おはよう」
私の分のスープを用意しながら挨拶を返してくれた。
今の両親。
きっと悪人ではない。と思う。
この時代……生きるだけでも大変なんだ。
変態(で、あろう)に売られなくても、
ある程度の年齢になると、住み込みで働きに出るのは普通であり、
働く。と、言っても給金なんかほどんど出ない。
だから、しかたがないのだろう。
「アリア、兄ちゃんたちにも話をしたんだけど、
最近は、この辺でも人さらいが出るらしいんだよ。
危険だから、外に出る時は俺たちか兄ちゃんたちと一緒に出ないとダメだぞ!!
水汲みもしなくて良い……
なるべく家にいるんだ」
父から命令された。
売られるのは決定したんだな。
「はい」
下を向いてスープを飲む振りをした。
上を向けない。きっとひどい顔をしているだろうから‥‥‥
「じゃ、俺たちは仕事に行くから、リンデルの事は頼んだぞ。
いいな、外に出るなよ!!」
念を押して、
両親と兄たちは席を立った。
さすがに気まずいのだろう。
いつもよりも早いのに、みんなサッサと家を出ていった。
一人になって考える。
リンデルは起きてこない。
「はぁ~、やんなっちゃうなぁ‥‥
せっかく貰ったチートなのに」
言葉として出す。
やる事を考えよう、
親に売られるぐらいなんだから。
私から、家族を捨てても良いよね。
3歳って何が出来たっけ??
あと3年って事は、小学校に入る年齢までがリミットだよね。
前の時代の幼稚園時代を考える。
私の通っていた幼稚園は、いわゆる勉強系。
〇〇方式とか、少し前に話題になった保育園に近い幼稚園だった。
えっと‥‥‥
チートなんか持ってなくても、
跳び箱8段飛べたよね。鉄棒は背の届かない棒にスイングから登って、ぐるぐる回れた。
バク転は私は出来なかったけど、妹は卒園の前に出来るようになってた。
勉強は、足し算引き算は二けたまで出来たかな?
九九や百人一首も暗唱したなぁ~
平仮名はもちろん、漢字は……2年生ぐらいまでは読み書きできたはず。
あれ??
意外と出来る。幼児って覚えるの早いんだよね。忘れるのも早いけど。
卒園式で園長先生から、
「私たちは、お子様方を何処に出しても恥ずかしくないように教育しました。
あとは、お家での責任です。お母さん、頑張ってください」
と、送辞をくれた。
忘れるの、早かったのも実感している。
卒園の時は覚えていたはずの九九を2年生で学習するときには苦労した。
あんなにすぐに覚えたのに、いざ勉強となると難しく感じてしまった。
1年生をのんびり過ごしている間に、色々と零れ落ちてしまっていたみたいだ。
そんな失敗の実体験もある。
よし、今はチートもあるんだ!!
昔の私に出来たことなら、今も出来る!
絶対に逃げ切れる!!
まず、何をするか考えよう……
「アーちゃ、おはよー」
グルグルと考えていると、リンデルが起きてきた。
かわいいなぁ~
前も姉と妹もいたけど。
やっぱり妹はかわいすぎる
「おはよう、リン。
スープ持ってくるから、座ってて」
火の使用は禁止されているが、冷めたスープはリンには丁度良い。
よそってあげると、
テーブルに置いてあったパンを浸しながら食べてる
小動物みたい。
モグモグしている。
この子も一緒に連れていきたいけど……
それは、無理だろう。
ちゃんと逃げられたら、
お金を稼いで送ろう!!
うん。きっと頑張れる。
だって、私はお姉ちゃんだもん!!
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