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季節話
龍神様と百合
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これは龍平がいつものように畑仕事をしようと外に出た時のこと。
「あ、百合だ。」
庭から少し離れたところに百合の花が咲いていました。
「ほぉ、綺麗だのぉ。」
「あ、龍神様。」
「真っ白で汚れなく…龍平のような花だぁ。」
「なに言ってんですか。」
龍神様はうっとりと百合を見つめながら、そのまま龍平に向けて言います。龍平には全く伝わりません。
「昔から、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、と言われるが…」
「俺に当てはめようとしないでくださいね。」
「先に言うな龍平ぃ。」
龍平に言葉を遮られた龍神様は少し不快そうな声を上げます。と、その時、龍神様は良い事を思いつき、にやりと笑いました。
「龍平よ、未来には百合文化というものがあるのだぞぉ。」
「…?なんですかそれ。」
「身をもって教えてやろう。」
そう言うと、龍神様はポンっと音を立てその姿を変えました。現れたその姿は以前龍平も見た事のある、人間姿の龍神様でしたが、以前見た姿とは少し違います。
「それは…女性の姿ですか?」
「そうだぁ。」
以前見た人間離れした美しさの姿そのままに、目鼻立ちや身長、全体的な肉付きが女性のそれになった龍神様は思わず目を背けられずには居られないほどの美しい女性でした。
「そしてこの姿で…こうだ!」
「うわっ!何するんですか!?」
龍神様はその姿のまま龍平に後ろから抱きつきました。
「くははぁ。未来では愛い女子同士が仲良くすることを百合と呼ぶのだぁ。」
「俺は女じゃない!!!」
龍平はそう叫んだものの、女性の柔らかな体を押し当てられるこの状況に、もう少しこのままでも良いなとほんの少し考えていたのでした。
「あ、百合だ。」
庭から少し離れたところに百合の花が咲いていました。
「ほぉ、綺麗だのぉ。」
「あ、龍神様。」
「真っ白で汚れなく…龍平のような花だぁ。」
「なに言ってんですか。」
龍神様はうっとりと百合を見つめながら、そのまま龍平に向けて言います。龍平には全く伝わりません。
「昔から、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、と言われるが…」
「俺に当てはめようとしないでくださいね。」
「先に言うな龍平ぃ。」
龍平に言葉を遮られた龍神様は少し不快そうな声を上げます。と、その時、龍神様は良い事を思いつき、にやりと笑いました。
「龍平よ、未来には百合文化というものがあるのだぞぉ。」
「…?なんですかそれ。」
「身をもって教えてやろう。」
そう言うと、龍神様はポンっと音を立てその姿を変えました。現れたその姿は以前龍平も見た事のある、人間姿の龍神様でしたが、以前見た姿とは少し違います。
「それは…女性の姿ですか?」
「そうだぁ。」
以前見た人間離れした美しさの姿そのままに、目鼻立ちや身長、全体的な肉付きが女性のそれになった龍神様は思わず目を背けられずには居られないほどの美しい女性でした。
「そしてこの姿で…こうだ!」
「うわっ!何するんですか!?」
龍神様はその姿のまま龍平に後ろから抱きつきました。
「くははぁ。未来では愛い女子同士が仲良くすることを百合と呼ぶのだぁ。」
「俺は女じゃない!!!」
龍平はそう叫んだものの、女性の柔らかな体を押し当てられるこの状況に、もう少しこのままでも良いなとほんの少し考えていたのでした。
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