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季節話
龍神様と双子
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空気が冷たく頬を刺すようになってきた頃。畑から戻った龍平は温まった筋肉をゆっくりと冷ましながら屋敷に戻ってきました。
「はぁ、外はだいぶ寒くなってきまし...うわぁぁあああぁぁぁ!?」
屋敷に入って龍平が見たものはいつもの龍神様、が何故か並んで二人いる光景でした。この光景から龍平の頭に連想された言葉は「分裂」でした。
「なっ、龍神様が、ふた、ふたり!?分裂!?」
「「落ち着け、龍平ぃ。」」
「うわぁぁあ同時に喋った!!」
龍平を落ち着かせるたようと口を開いた龍神様二人を見て、龍平はますます混乱します。困った二人の龍神様はどうするものかと思いましたが、思った以上に荒ぶる龍平が可愛かったのでしばらく黙って眺めることにしました。
「ふぅ...ふぅ...。すみません、落ち着きました。黙って待ってもらってすみません。」
「「いや、これ以上声をかけるべきではないと判断したからなぁ。」」
嘘は言っていません。
「とりあえず、説明してもらっていいですか?何で龍神様が二人?ご兄弟とかですか?」
「「くはは、間違いなく龍神だぁ。分身だよ。なに、屋敷の中で同時に二匹の鼠を見つけてなぁ。一匹を仕留める間にもう一匹が逃げると困ると思って二匹同時に仕留めようと思った結果がこれだぁ。」」
「なるほど...。案外意外でもなんでもない理由ですね。」
「「何を期待しておったんだぁ。」」
「いえ、実は龍神様は双子のご兄弟いるとか...。」
「「残念だったなぁ。私は一人っ子だぁ。」」
「神様も一人っ子と言うのか...?」
とりあえず、理由の分かった龍平は胸を撫でおろします。と同時に、先刻まで慌てていた自分が恥ずかしくなってきました。
「えーっと、じゃあ今は龍神様が二人いるということですね?」
「「そういうことだなぁ。愛も二倍だ。」」
「鬱陶しさも二倍ですね。」
「「何てことを言うんだ龍平。」」
鬱陶しさ、なんて言葉を出したのはちょっとした冗談でしたが、つっこむ言葉が二重となると割と本気でうるさくなってきました。
「何でもいいですけどいつ元に戻るんですか?」
「「龍平を二人で挟んで抱きしめたらかなぁ。」」
「しませんからさっさと戻ってください。」
龍神様が二人なら愛も二倍。一人でも愛が重いのに、二人もいると重すぎて受け止められない龍平なのでした。
「はぁ、外はだいぶ寒くなってきまし...うわぁぁあああぁぁぁ!?」
屋敷に入って龍平が見たものはいつもの龍神様、が何故か並んで二人いる光景でした。この光景から龍平の頭に連想された言葉は「分裂」でした。
「なっ、龍神様が、ふた、ふたり!?分裂!?」
「「落ち着け、龍平ぃ。」」
「うわぁぁあ同時に喋った!!」
龍平を落ち着かせるたようと口を開いた龍神様二人を見て、龍平はますます混乱します。困った二人の龍神様はどうするものかと思いましたが、思った以上に荒ぶる龍平が可愛かったのでしばらく黙って眺めることにしました。
「ふぅ...ふぅ...。すみません、落ち着きました。黙って待ってもらってすみません。」
「「いや、これ以上声をかけるべきではないと判断したからなぁ。」」
嘘は言っていません。
「とりあえず、説明してもらっていいですか?何で龍神様が二人?ご兄弟とかですか?」
「「くはは、間違いなく龍神だぁ。分身だよ。なに、屋敷の中で同時に二匹の鼠を見つけてなぁ。一匹を仕留める間にもう一匹が逃げると困ると思って二匹同時に仕留めようと思った結果がこれだぁ。」」
「なるほど...。案外意外でもなんでもない理由ですね。」
「「何を期待しておったんだぁ。」」
「いえ、実は龍神様は双子のご兄弟いるとか...。」
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「神様も一人っ子と言うのか...?」
とりあえず、理由の分かった龍平は胸を撫でおろします。と同時に、先刻まで慌てていた自分が恥ずかしくなってきました。
「えーっと、じゃあ今は龍神様が二人いるということですね?」
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「鬱陶しさも二倍ですね。」
「「何てことを言うんだ龍平。」」
鬱陶しさ、なんて言葉を出したのはちょっとした冗談でしたが、つっこむ言葉が二重となると割と本気でうるさくなってきました。
「何でもいいですけどいつ元に戻るんですか?」
「「龍平を二人で挟んで抱きしめたらかなぁ。」」
「しませんからさっさと戻ってください。」
龍神様が二人なら愛も二倍。一人でも愛が重いのに、二人もいると重すぎて受け止められない龍平なのでした。
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