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季節話
龍神様と夫婦
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秋も深まる今日この頃、庭の木が紅葉してきたのを縁側に並んで座って眺めておりました。
「龍平よ、お主の親御さんはどうしている。」
「言ってませんでしたっけ?俺がまだ小さい頃に亡くなりましたよ。」
「そうか...ご挨拶したかったなぁ。」
「ははっ、両親も龍神様が挨拶なんて来たら腰抜かしてましたよ。」
「そうかぁ?...どんな親御さんだったのだぁ?」
「あんまり覚えてませんけどね、いい人たちでしたよ。いつも冗談交じりに会話して、でもたまに本心で愛を語らって、一緒にいたいと思える2人が一緒にいるって感じの仲の良い2人でした。」
「そうか...私たちもそんな夫婦になりたいなぁ。」
「いやなりませんけど。」
「龍平!結構いい雰囲気だったではないかぁ!多少流されてくれんかぁ!?」
秋の紅葉を見ながら、二人並んでしんみりと昔話をする。そんな趣のある雰囲気だったのに、どこまでも曲がらない龍平です。
「だって、俺は嫁になりに来たわけではないですもん。それにまず男ですし。」
「性別など関係ないわぁ。何だ、嫁が嫌だったのか?婿ならいいかぁ?」
「龍神様を婿に貰う人間ってなんですか...俺は神以上の存在なんてなりたくないんですが。」
「ああいえばこういうやつだなぁ...。私はな、嫁でも婿でもなんでもいいんだぁ。好いた奴と一緒にいたい、それだけなんだぁ。龍平のことを愛いと思ったから嫁という言葉を使っただけだぁ。」
「そうですか。」
「反応薄くないかぁ?」
龍神様の真面目な愛の言葉も、龍平にはそこまで感激するものではありません。
「いえだって、貴方いつも俺のことを愛いだの好いてるだの言ってるので今更...。」
「むぅ!普段から愛を伝える様にした結果がこれかぁ。」
「はは。でも龍神様がいつも伝えてくれるので、改まって言われてもああそうですかってなるくらいには疑ってないんですよ。それにね、一緒にいたいってだけなら別に婚姻を結ぶ必要なんてないじゃないですか。一緒にいればいいだけです。俺は貴方の嫁になるつもりはないですが、ここを出ていくつもりは今のところ無いですよ。」
「龍平...。」
龍平は普段から愛を伝えることなんてしません。だからこそ改まって伝えられると龍神様はとても感激します。
「よし、今夜は一緒に寝ようぞぉ。」
「断固拒否します。一緒に寝るくらいなら村に帰ります。」
「龍平ぃ!」
いつも冗談交じりに会話して、でもたまに本心で愛を語らって、一緒にいたいと思える2人が一緒にいるって感じの仲の良い2人。さて、誰のことでしょうかね。
「龍平よ、お主の親御さんはどうしている。」
「言ってませんでしたっけ?俺がまだ小さい頃に亡くなりましたよ。」
「そうか...ご挨拶したかったなぁ。」
「ははっ、両親も龍神様が挨拶なんて来たら腰抜かしてましたよ。」
「そうかぁ?...どんな親御さんだったのだぁ?」
「あんまり覚えてませんけどね、いい人たちでしたよ。いつも冗談交じりに会話して、でもたまに本心で愛を語らって、一緒にいたいと思える2人が一緒にいるって感じの仲の良い2人でした。」
「そうか...私たちもそんな夫婦になりたいなぁ。」
「いやなりませんけど。」
「龍平!結構いい雰囲気だったではないかぁ!多少流されてくれんかぁ!?」
秋の紅葉を見ながら、二人並んでしんみりと昔話をする。そんな趣のある雰囲気だったのに、どこまでも曲がらない龍平です。
「だって、俺は嫁になりに来たわけではないですもん。それにまず男ですし。」
「性別など関係ないわぁ。何だ、嫁が嫌だったのか?婿ならいいかぁ?」
「龍神様を婿に貰う人間ってなんですか...俺は神以上の存在なんてなりたくないんですが。」
「ああいえばこういうやつだなぁ...。私はな、嫁でも婿でもなんでもいいんだぁ。好いた奴と一緒にいたい、それだけなんだぁ。龍平のことを愛いと思ったから嫁という言葉を使っただけだぁ。」
「そうですか。」
「反応薄くないかぁ?」
龍神様の真面目な愛の言葉も、龍平にはそこまで感激するものではありません。
「いえだって、貴方いつも俺のことを愛いだの好いてるだの言ってるので今更...。」
「むぅ!普段から愛を伝える様にした結果がこれかぁ。」
「はは。でも龍神様がいつも伝えてくれるので、改まって言われてもああそうですかってなるくらいには疑ってないんですよ。それにね、一緒にいたいってだけなら別に婚姻を結ぶ必要なんてないじゃないですか。一緒にいればいいだけです。俺は貴方の嫁になるつもりはないですが、ここを出ていくつもりは今のところ無いですよ。」
「龍平...。」
龍平は普段から愛を伝えることなんてしません。だからこそ改まって伝えられると龍神様はとても感激します。
「よし、今夜は一緒に寝ようぞぉ。」
「断固拒否します。一緒に寝るくらいなら村に帰ります。」
「龍平ぃ!」
いつも冗談交じりに会話して、でもたまに本心で愛を語らって、一緒にいたいと思える2人が一緒にいるって感じの仲の良い2人。さて、誰のことでしょうかね。
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