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季節話
龍神様と皺
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龍平が龍神様のところで暮らすようになってから、ある程度月日が経ち、龍平は龍神様との暮らしにすっかり慣れきっております今日この日。いつものように龍平が衣服を畳んでいた時のことです。
「龍神様?今座られているその辺に俺の着るもの置いてありませんでしたか?」
「むぅ?…あ、これのことかぁ?」
龍神様は龍平の言葉で辺りを見回し、自分の尻の下にあった衣服を見つけました。
「あー!俺の!龍神様!どうして踏んでるんですか!しわしわになってしまったじゃないですか!せっかくシワを伸ばして置いたのに!」
「す、すまぬ…。」
「もー!今日の湯浴みの後に着ようと思っていたんですよ!」
「すまぬ、故意にしたわけではないのだぁ…。」
龍平のもっともな言い分と怒った勢いに、龍神様はしおしおと謝りました。そのあまりにも申し訳なさそうな様子に、思わず龍平も言いすぎたか、とたじろぎました。
「ゔっ…い、いえ、反省してくれたならそれで…。」
「本当にすまぬ、龍平…。着るものなら私が何とかするぞぉ。すまぬ…。」
龍神様があまりにもしおらしいものですから、龍平もいつもの調子が出ません。そこで龍平は少し恥ずかしながらもそっと衣に手を伸ばしました。
「いいですか、龍神様。ほら、こうしてしわしわの衣を寄せると、しわが寄りました。」
「…?それがどうしたのだぁ?」
「だからしわ寄せです。しわ寄せ、しわよせ、しあわせ、幸せ。今ここに幸せが寄ってきましたよ。…だからそんなにしおらしくしないでください。なんか調子狂っちゃうので。」
「龍平…。ふ、ふはははははは!そうか、龍平はいつものように私にグイグイ来られるのが好きなのだなぁ!」
「好きとかじゃないです。」
「照れるな照れるなぁ!そうかぁ、しおらしくしてすまなかったなぁ。いつもの龍平の好きな私でいるとしようぞぉ。」
「照れてないし、好きとか言ってません。はぁあぁぁ、やっぱりちょっとしおらしかった方が良かったですかね!?」
口でどう言っていても、本心は?龍平と龍神様は何だかんだ毎日楽しく暮らしているのです。
「龍神様?今座られているその辺に俺の着るもの置いてありませんでしたか?」
「むぅ?…あ、これのことかぁ?」
龍神様は龍平の言葉で辺りを見回し、自分の尻の下にあった衣服を見つけました。
「あー!俺の!龍神様!どうして踏んでるんですか!しわしわになってしまったじゃないですか!せっかくシワを伸ばして置いたのに!」
「す、すまぬ…。」
「もー!今日の湯浴みの後に着ようと思っていたんですよ!」
「すまぬ、故意にしたわけではないのだぁ…。」
龍平のもっともな言い分と怒った勢いに、龍神様はしおしおと謝りました。そのあまりにも申し訳なさそうな様子に、思わず龍平も言いすぎたか、とたじろぎました。
「ゔっ…い、いえ、反省してくれたならそれで…。」
「本当にすまぬ、龍平…。着るものなら私が何とかするぞぉ。すまぬ…。」
龍神様があまりにもしおらしいものですから、龍平もいつもの調子が出ません。そこで龍平は少し恥ずかしながらもそっと衣に手を伸ばしました。
「いいですか、龍神様。ほら、こうしてしわしわの衣を寄せると、しわが寄りました。」
「…?それがどうしたのだぁ?」
「だからしわ寄せです。しわ寄せ、しわよせ、しあわせ、幸せ。今ここに幸せが寄ってきましたよ。…だからそんなにしおらしくしないでください。なんか調子狂っちゃうので。」
「龍平…。ふ、ふはははははは!そうか、龍平はいつものように私にグイグイ来られるのが好きなのだなぁ!」
「好きとかじゃないです。」
「照れるな照れるなぁ!そうかぁ、しおらしくしてすまなかったなぁ。いつもの龍平の好きな私でいるとしようぞぉ。」
「照れてないし、好きとか言ってません。はぁあぁぁ、やっぱりちょっとしおらしかった方が良かったですかね!?」
口でどう言っていても、本心は?龍平と龍神様は何だかんだ毎日楽しく暮らしているのです。
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