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季節話
龍神様と節分
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冬の寒さで手がかじかむ二月。龍神様のもとで暮らす龍平は庭の枯れ葉を掃いておりました。
「龍平、豆を私にまいてくれないかぁ。」
「豆を私に、とは...?」
「龍平に豆をぶつけられてみたい。」
「龍神様のそのような趣味付き合うほど俺は優しくないです。」
龍神様は豆の入った升を龍平に渡そうとしますが、龍平は受け取りません。
「分かった分かったぁ。私にぶつけなくていいから豆まきをしようぞぉ。」
「嫌です。」
「なんでだぁ。別に無理難題を言っているわけではないだろう。」
「龍神様...俺が今何をしているか見えてますか?」
龍平は今、寒い中、ほうきで庭を掃き掃除しています。
「俺は、今、庭を、綺麗にしたんです。豆なんてまいたらまた掃除のやり直しじゃないですか。」
「むぅ...確かにそうだなぁ。なら豆をまいた後の掃除は私が責任もってやり遂げようぞぉ。」
「頑なですね!?どうしてそんなに豆まきがしたいのですか。」
どれだけ龍平が嫌だと言っても龍神様は引きません。ここまで頑なな龍神様は少し珍しいです。
「豆まきをすれば、龍平が病気や災害に合わずに済むだろう。厄を払うものなのだからなぁ。龍平には何の不安も心配もなく、ここで健康に過ごしてほしいのだぁ。」
「龍神様...しかし結構です。」
「なんでだぁ!お主も頑なだなぁ!」
「だって...厄なんて、龍神様が守ってくれるでしょう。俺には必要ないです。」
龍平は心底意味が分からない、といった顔で龍神様に言います。龍神様は一瞬驚いた顔をしましたがすぐに笑顔で両手を広げます。
「そうだなぁ、龍平のことは私が必ず守るからなぁ!ところで龍平、抱きしめてもいいかぁ?」
「嫌ですけど。」
結局豆まきはしませんでしたが、この二人には厄となる病気も災害も訪れないことでしょう。
「龍平、豆を私にまいてくれないかぁ。」
「豆を私に、とは...?」
「龍平に豆をぶつけられてみたい。」
「龍神様のそのような趣味付き合うほど俺は優しくないです。」
龍神様は豆の入った升を龍平に渡そうとしますが、龍平は受け取りません。
「分かった分かったぁ。私にぶつけなくていいから豆まきをしようぞぉ。」
「嫌です。」
「なんでだぁ。別に無理難題を言っているわけではないだろう。」
「龍神様...俺が今何をしているか見えてますか?」
龍平は今、寒い中、ほうきで庭を掃き掃除しています。
「俺は、今、庭を、綺麗にしたんです。豆なんてまいたらまた掃除のやり直しじゃないですか。」
「むぅ...確かにそうだなぁ。なら豆をまいた後の掃除は私が責任もってやり遂げようぞぉ。」
「頑なですね!?どうしてそんなに豆まきがしたいのですか。」
どれだけ龍平が嫌だと言っても龍神様は引きません。ここまで頑なな龍神様は少し珍しいです。
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「龍神様...しかし結構です。」
「なんでだぁ!お主も頑なだなぁ!」
「だって...厄なんて、龍神様が守ってくれるでしょう。俺には必要ないです。」
龍平は心底意味が分からない、といった顔で龍神様に言います。龍神様は一瞬驚いた顔をしましたがすぐに笑顔で両手を広げます。
「そうだなぁ、龍平のことは私が必ず守るからなぁ!ところで龍平、抱きしめてもいいかぁ?」
「嫌ですけど。」
結局豆まきはしませんでしたが、この二人には厄となる病気も災害も訪れないことでしょう。
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