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廻り合う
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「隆!!」
君がそう呼んだ気がした
けれど
君はもう此処には居ない
何故なら──
━━━━━━━━━━━━━━━━━
ごぽ、と空気を吐く音がした
水の中でのそれは、終わりを意味していた
あぁ、死ぬんだ
死んだら天国に行くんだろうか
それとも…
地獄?
そう、柄にもなく思った
信じていなかったのに
死を実感したら、どうしようもなく怖い
死にたくない
そんな感情の渦が俺の頭の中をぐるぐると廻る
『死……くな………』
どうして
口にしてしまったんだろう
空気が…
本当に
死ぬんだ、俺
覚悟を決めた
その時だった
沢山の気泡が立ち上ぼり、手が差しのべられた
俺はその手を掴んだ
命綱はこれしかなかった
その人は…
俺を引き上げる代わりに
自分が落ちていった
深い、深い闇へ
━━━━━━━━━━━━━━━━━
海…
一人、孤独に呟く
あの日、俺を助けてくれたのは、大親友の海だった
そして海は今も病院のベッドで眠り続けている
ピンポーン
間抜けにチャイムが鳴る
「…はい」
毛怠げに返事をする
ガチャリとドアを開けると
「おはよー、隆」
何もなかったかのように海が居た
『隆。』
懐かしい、婆ちゃんの声が甦る
『人と人は別れても
廻り合う運命なんだよ』
信じてなかったけど……
今がその…廻り合うって時か…?
マジかよ…
君がそう呼んだ気がした
けれど
君はもう此処には居ない
何故なら──
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ごぽ、と空気を吐く音がした
水の中でのそれは、終わりを意味していた
あぁ、死ぬんだ
死んだら天国に行くんだろうか
それとも…
地獄?
そう、柄にもなく思った
信じていなかったのに
死を実感したら、どうしようもなく怖い
死にたくない
そんな感情の渦が俺の頭の中をぐるぐると廻る
『死……くな………』
どうして
口にしてしまったんだろう
空気が…
本当に
死ぬんだ、俺
覚悟を決めた
その時だった
沢山の気泡が立ち上ぼり、手が差しのべられた
俺はその手を掴んだ
命綱はこれしかなかった
その人は…
俺を引き上げる代わりに
自分が落ちていった
深い、深い闇へ
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海…
一人、孤独に呟く
あの日、俺を助けてくれたのは、大親友の海だった
そして海は今も病院のベッドで眠り続けている
ピンポーン
間抜けにチャイムが鳴る
「…はい」
毛怠げに返事をする
ガチャリとドアを開けると
「おはよー、隆」
何もなかったかのように海が居た
『隆。』
懐かしい、婆ちゃんの声が甦る
『人と人は別れても
廻り合う運命なんだよ』
信じてなかったけど……
今がその…廻り合うって時か…?
マジかよ…
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