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13話:母がクルーズに感動と突然死

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 2014年4月14日、月曜の1日目のディナーの時でした。デザートになって初めてお会いする皆さんとも楽しくお話が出来るようになっていた頃、突然家内の前にローソクを灯した10cm角位の四角いバースデーケーキに船長からのサイン入りのバースデーカードが添えられて置かれた。その後、数人のスタッフ・ウエイター達が、ハッピー・バースデー・を唄い出した。

 その他、数日後のディナーの時、今度は同じテーブルの1組のご夫妻の前に、同じデコレーションケーキとカードが置かれました。当のご夫妻は何事か分からず目を丸くした。スタッフに「ハッピー・アニバーサリー!」と云われても狐につままれたような表情。「ハッピー・ウエディング・アニバーサリー! コングラチュレーション!」と云われてもまだぽかんとしているので、テーブルのお仲間達が拍手喝采で大笑いとなった。

 実は、この日がご夫妻の結婚記念日だったのです。 ご夫妻は何ゆえに結婚記念日が分かったのだろうと不思議がり、テーブルはひとしきりこの話題で持ちきりでした。こんなことがあったので、テーブルのお仲間達とは一気に打ち解け合い、毎晩顔を合わせるお仲間達との話題が楽しく、夜になるのが待ち遠しい程でした。 フォーマル・ナイトの時は必ずインターナショナル・ダイニング入口の近くでドレスアップした人の記念撮影。
 
 クルーズ中、運良く晴れだったので、朝食はいつも航跡を見ながら14階のビュッフェのオープンデッキで爽やかな潮風を感じながら食べていました。ここでは仲良しになった日本人女性のスタッフがいつもジュースなどの飲み物やコーヒーを持って来てくれた。ダイヤモンド・プリンセスの船首は薄く口をひらいた鳥のくちばしのようで、他の船では見掛けない形の船首なので以前から気になっていました。

 12階アロハデッキの船尾にあるプール・テラスから船の長い航跡を見ていると心が和んだ。女房もお気に入りの場所。ダイヤモンド・プリンセスはイギリス船籍の船なので、寄港地に入港する時はこのフラッグポールにイギリスの船舶旗「赤無地の旗の左上角にユニオンジャック」が掲げられました。16階、船尾のオアシス・デッキから15階、から見た長い航跡で、海と航跡の透き通るようなブルーが息を呑むほど綺麗だった。
 
 那覇からは、遠い、次の寄港地の台湾・基隆に翌日寄港のためか、午後15時に出港で14時半には帰船指示と滞在時間があまりにも短いので、那覇の観光ができなかった。シャンパンタワーにシャンパンを注ぐカップル。那覇を出て、基隆に向かう途中の20日、日曜のフォーマル・ナイトのアトリウムではシャンパンタワーのイベントがありました。アトリウム吹き抜けの手摺や階段には沢山のドレスアップした人達が多く、シャンパンタワーにシャンパンを注ぎたい人達の順番待ち人の列が長かった。

 クルーズ、最後の夜のディナーの時、デザートの頃シェフやスタッフ達がローソクを灯したデコレーションケーキを捧げ持ち、大きなハンカチを振りながらピアノの横で歌う男性歌手の歌声に乗って客席の間を練り歩き、各テーブルの客たちも自分の白いひざ掛けを振りながら歓声を挙げてサパレードを迎え、ダイニングは沸き上がり、感動的なシーンが繰り広げられました。

 やはり最後の夜、21:30からはアトリウムでバルーン・ドロップ・パーティーが催されました。吹き抜けの上部にはネットが張られ色とりどりの風船がぎっしりと積まれ、アトリウムの広場や吹き抜けの階段には多くのお客さんが見上げる中、カウントダウンとともに無数の風船が一斉にお客さん達の頭上に落ちて来ました。皆でその風船を突き上げたり突き飛ばしたり両手で捕まえて割ったりの大騒ぎとなりました。 

 2015年1月にパリで風刺週刊紙が国際テロ組織アルカイダに共鳴するイスラム過激派に襲撃されて以降、過激派組織「イスラム国」などによる大規模テロが各地で多発した。チュニスで3月に起きた博物館襲撃では、邦人3人も犠牲になった。10月にはアンカラで自爆テロがあり、エジプトではロシア旅客機が爆破された。11月もベイルートの自爆テロに続き、パリで同時テロが発生し、130人が死亡。

 いずれも過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。米国でも12月にカリフォルニア州で過激思想に染まった夫婦による銃乱射事件が起きた。 パリ同時テロを受け、英仏がシリアのIS拠点への本格空爆に踏み切った。こうした米主導の有志連合に加え、ロシアもアサド政権を支援する立場からシリア空爆を9月に開始。ISに対する国際的包囲網が強まっている。

 過激派組織「イスラム国」は2015年1月、シリアで行方不明になった湯川遥菜さん「当時42歳」とフリージャーナリストの後藤健二さん「当時47歳」を人質に取り、殺害した。過激派組織「イスラム国」は、それまで欧米人を殺害したとする動画を公開してきたが、邦人が犠牲になった事件は初めてだった。 過激派組織「イスラム国」は、安倍晋三首相がIS対策として2億ドルの人道支援を表明した後、2人の殺害を警告するビデオ映像を公開。

 72時間以内に同額の身代金を支払うよう要求した。期限切れ後、ISは湯川さんを殺害したとする画像をネットに投稿し、要求を身代金からヨルダンで収監中のイラク人女死刑囚の釈放に切り替えた。日本政府はヨルダンなどに協力を求め、人質解放に努めたが、その後、後藤さんを殺害したとする動画が公開された。

 外国人観光客激増と爆買い。2015年1~11月の訪日外国人数は、日本政府観光局の推計で前年同期比47.5%増の1796万4400人に達した。円安に加え、日本発着の国際航空路線の拡充、査証「ビザ」発給要件緩和などを背景に、過去最高だった14年の年間実績「1341万人」を既に上回った。15年年間では1900万人台に達する見込みだ。

 この年も元気に過ごしていた、柳生敦夫の母、律子さんが、2015年8月10日、朝起きてこないのを不思議に思い、奥さんの梅子さんが、律子さんの部屋に入ると、エアコンが止まっていて、律子さんが、寝たままだった。そこで、声を掛けて、次に体を少しゆすったが、反応がなく、口の前にてをやると息をしてないようで、とっさに脈を測ると、脈を打ってないように思えた。

 そこで、大声で、敦夫を呼んだ。敦夫が脈をとると反応はなく、額に手をやると、冷たくなっていた。念のために、近くのけいゆう病院に電話すると、少しお待ちください、若い先生を行かせますと言うので待つと、5分位で、若い先生が来て、母の脈、首の大動脈、瞳孔を見て、ご臨終ですと告げた。9時過ぎたら、遺体を引き取り来ますと言われ、了解し、待ち、敦夫と梅子が病院の車にのり、病院に着いた。

 死亡診断書は今日中に渡しますので、この書類を書いておいて下さいと書類を数枚、渡され、敦夫がサインした。葬儀社の手配をして良いですかと聞くと、多分、昼くらいには死亡診断書がもらえますから、ご自宅に、ご遺体を引き取れますと教えてくれた。そこで、葬儀社に電話して、棺と霊柩車の手配をして、近隣の葬儀場の空き具合をしれべておく様にお願いした。昼過ぎに霊柩車が来て、自宅に帰った。

 葬儀場は一番近く横浜の葬儀所が6日後、8月16日、11時、空いてると言われたので、直ぐに、葬儀の申し込みをした。その後、電話で八王子の柳生の親戚の人に、8月16日11時からの葬儀の話をして、周りの親戚に連絡しておいててえ欲しいと告げた。その後、電話連絡で38人が、葬儀に参列することがわかった。

 8月16日は曇り空で、それ程、暑くなくて38人が全員集まり、型どおり葬式が進行して、坊さんの読経と、ご焼香を済ませて、敦夫が骨を拾い、1時間かけて、八王子の菩提寺の父の墓に、一緒に葬った。葬儀の最中、母の優し買ったこと、その優しさで助けられた人たちの話を聞くと、参列者の涙を誘った。特に、敦夫の奥さんの梅子は、飲んだくれの実の父から、引き取って、育ててくれたことを思い出し、号泣した。
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