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29話:佐野夫妻の初めてのハワイ旅行

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 自分達の席に戻ると文代さんが、佐野に意外としっかりしてるのねと話した。米国に来たら米国流にイエス、ノーをはっきり言わないと、あなたみたいに海苔巻きの端切れを渡されると言ったが、笑いながら交換してねと、奥さんが、ちゃっかりと佐野の海苔巻きと取り替えた。

 そして19時半頃にショーが始まると書いてあったのでショーの会場に行くと既に行列で上手に少ない列に紛れ込み、かなり前の席に座ることができた。ショーが始まると最初がコントとジョーク、日本の漫才みたいなもので佐野は、たまに笑ったが文代は、皆が笑った後、何て言ったのと佐野に解説してもらい、あまり楽しそうではなかった。

 その後、アメリカの懐かしのヒット曲を声量豊かな男性と女性のシンガーが上手に歌い、多くの拍手をもらった。声量が日本人と違い、すごいねと文代さんが感想を述べた。その後マジックショーとなり、最後にミュージカル風の劇が約1時間、行われたが演技が上手で引き込まれた。やがて3時間経ち、全スケジュールが終わると出演者達が一斉登場した。

 その時、出演者の3分の一が、この船のクルーだと紹介され、その芸達者ふりに驚かされた。そしてショーからかえる時に、カメラ屋さんのような所に乗客の多くの写真が貼られていて、欲しい人は1ドルで売ってくれると書いてあったと佐野が説明した。佐野夫妻が写った写真を文代さんが見つけると、買いましょうと言い、店の中に入ると、カード・プリーズというので乗船カードを見せた。

 すると乗船カードを何かの機械を通すとサンキューと言って写真を渡してくれた。理由を文代さんが聞くと乗船カードにクレジットカードを登録して船内で買い物全部、カード払いとなるようになっていると佐野が説明した。翌日、4月9日、朝7時、もう既に船のデッキを2周りの散歩をしモーニング珈琲を飲んでゆっくりしていると、遠くに陸地が見え、どんどん近づいてきた。

 やがて朝8時、マウイ島、カフルイ港に到着。港に着くと、ハレアカラの大きな山が一望できた。今日は、午後2時過ぎから3055mのハレアカラ火山のサンセット・ツアーを申し込んでいたので、昼まで卓球したり、スポーツや図書室の様な部屋でカードゲームをして時間を潰した、昼過ぎ、ツアーの用意として標高が高いので上着とウインドブレーカーを用意した。

 やがて14時にツアーバスが来て乗り込み、ハレアカラに向かい、15時過ぎにドーナッツ屋さんで一休みし、途中でトイレ休憩。17時に到着し、ハレアカラ国立公園で夕日鑑賞、山頂から移動し、夕食のお弁当を食べた。その後、山頂からの天体観測が始まり星空が直ぐ頭の上にみられ何の解説も入らない、ただ見ているだけで感動した。

 しかし0℃近くの気温のため持参した上着とウインドブレーカーを着込んでも時間が経つにつれ寒くなった。ポットのお茶がおいしくて身体が温まり助かった。そして時間となり、車で船へ買える車中では寝ている人が多、佐野も睡魔に負けて寝てた。22時頃、船に到着してシャワーを浴びて床についた。

 翌4月10日、起きると足が痛く少し筋肉痛を感じた。この日はツアーに参加せず、昼前、歩いてマウイモールと言う大きな商店街に向かった。昼食は、お決まりのハンバーガーを食べたが、地元の人が多く、大勢のお客さんで、にぎわっていた。ローカルショップで珍しい彫り物をお土産に数点購入した。

 夕方になりステーキの良い匂いの誘惑に負け、ステーキもがっちり食べた。船に戻りハワイ島のヒロに向けて18時、クルーズ船がカフルイ港を出発した。19時から船の劇場での歌謡ショー見に行き22時には床についた。翌4月11日、朝、デッキを散歩しているとハワイ島にクルーズ船が近づいてるのが見えた。

 すると林に囲まれた公園が見え長い奇妙な防波堤のような物が見えた。佐野が船のクルーに聞くとリリウオカラニ公園、ジャパニーズガーデンと言ったので何か日本とゆかりのある公園のようだった、よく見ると鳥居や太鼓橋も見えた。そして8時にヒロに到着。そして今日は、市内観光とレインボー滝の見学ツアーを予約した。
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