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22話:日本の不景気風とソニー株買い

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 やがて日本株式市場の最安値の1992年が終わり1993年を迎えたが、相変わらず不景気風が吹き荒れて、その後もその不景気風による大きな事件が起こるとは誰も知るよしもなかった。1993年も進学塾は依然として110人前後の受験生を抱え、進学のための知識武装を固めて弱点探しを続けて、めざす大学の合格のために全員一丸として当たっていた。

 しかし1994年に95人で1995年に80人と進学塾に入る高校生の人数が減ってきた。この原因を知るために塾生にアンケートと取ると交通の便が悪いと言う理由が多かった。そこで逆にどこが良いかと聞くと1位が高尾駅近くで2位が西八王子駅、3位が八王子駅だった。その駅にした理由も書いてもらうと高尾駅はJR中央線と京王線が乗り入れて交通の便が良い点。

 西八王子駅は高校から近い点。八王子駅は都会で便利だからだった。そこで高尾駅近くに空き店舗か広い事務所の貸店舗がないか調べたところ現在、空きがなかった。不動産屋に予約しておけば空き物件を教えてくれると言われて1995年6月に予約を入れた。8月に1軒、連絡があったが駅から遠いのでキャンセル10月にも連絡は言ったが部屋が狭くキャンセルした。

 12月にも貸教室あったが2部屋で最大50人の物件で賃料が両方で月12万円となり最低1日単位でないと貸せないと言われた。もっと便利の良い場所に新しい教室が見つからないので我慢して欲しいと言った。1996年4月も進学塾の入塾生が74人に減った。そのためにアルバイト学生の数を減らして対応したが収益は減ったままだった。それでも順調に塾生の成績向上の使命は果たし成績は向上した。

 夏が過ぎ秋へ年が押し迫った1996年12月24日、ケイトが体調崩し医者に診てもらうと、妊娠したことが判明した。出産予定日が1997年6月1日を医師から言われた様だ。直ぐにケイトが実の両親に電話をすると大喜びして、まさに大きなクリスマスプレゼントだとケイトの父が叫んだ。やがて1996年が終わり1997年。この年も進学塾は問題なく順調に活動してくれた。

 しかし株投資勉強会の方では日本経済の低迷のニュースばかりで主要メンバーの斎藤勇さんと満田さんとその友人女性の3人が土地投資の失敗で斎藤さんが約1億円と満田さんと友人が7千万円ずつ負債を抱えたと言った。そんな話ばかりで投資研究家でも明るさがなくなりピリピリとした雰囲気だったが、唯一、ソニー株が上昇しているのが救いだった。

 その後、ケイトが男女双子の赤ちゃんを1997年6月1日に出産したと電話が入った。そして名前を本田哲朗と本田由利と名付けたと知らされた。退院して、まもない6月10日に佐野と奥さんの佐野文代の2人で、お祝いに行くと元気な泣き声の可愛い赤ちゃんだった。本田君の子供誕生祝いに佐野が夫婦連名で10万円を送った。

 やがて夏、1997年8月1日朝、8時40分、N証券から電話でソニー株が12000円の気配値なので売ったらとの担当者の話を聞いて全株成り行き売りを指示し9時に全株売れた。その結果、税引き後純利益1000万円で投資口座残金1320万円、資産が、500万円となった。そこで投資口座に180万円送金、1500万円にし資産が、320万円となった。

 この日が投資研究会の日で斎藤さんも満田さんも成り行き12000円で売ったと言い、負債が減ったと喜んだ。佐野はヤフー株に注目していたので11月1日の投資勉強会でヤフー株の話をすると、案の定、ベテランの斎藤勇さんと満田さんが興味を示した。そこで会議終了後、3人で話し合って佐野がヤフー株は公募価格70万円だが、上場時に必ず人気になるから上げて始まるはずだから、十分に下げた所で買いを入れるべきだと説明した。

 一応、念のため電話番号を聞いておいて指示することがあったら直ぐ電話を入れますと言った。もちろんN証券の担当者とも打ち合わせていて11月13日朝8時半に斎藤勇さんへ電話してヤフー買うとしたらリスクも大きいから1株で直ぐ買いたいなら成り行き買いと言って電話切り、直ぐ、満田さんにも同じ話をして電話を切った。
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