瀬戸内の勝負師

ハリマオ65

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56話:妻の友人の倉敷夫妻が来る投資談義とイタリア旅行計画

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 その後、ニヤッと笑って、実は、全部、うちの旦那が考えたものよと打ち明けた。どこでお知りになったのと良江さんが聞いた。それに対し、小山田が、僕の家は貧しくて紅茶を飲む習慣はなかった。しかし高校生になり友人とたまに神戸に出かけて喫茶店に入るのが楽しみで、そんな時、紅茶店に入り紅茶にイチゴジャムを入れたロシアンティーを飲むととても美味しい。冬の寒い時、ロシアンティーに、何か細い口の硝子容器から何かの液体を入れてる人を見た。気になって自分もやってみるとブランデーだ。

 ブランデーの良い香りが、鼻をくすぐり、なんとも言えない、美味しい紅茶になった。そして、顔が赤くなり、体が暖かくなるのを感じた。その後、大人になって、ラムレーズンアイスを食べたときに、ラムレーズンを熱い紅茶に入れたらと考えついて、やってみたら、最高の味になった。紅茶もダージリンよりも、アールグレイの方が良くあっていると気づき、飲むようになったと話した。わー、すごい話ねと、絹子さんは、驚いていた。そんな話をしていると、倉敷正吉さんが、自分の生い立ちの話を始めた。

 うちの実家は、神戸で食堂をやっていて、大学も近くにあり、アルバイト学生を雇って、店も繁盛して、両親が金を貯めた。そのため関西の名門の中学、高校、大学のコースを脇目も振らず生きてきた。成長して世の中に出ると自分の足で立っていなかった人生だった事を痛感したと語った。ハングリー精神がないというか競争心に乏しい自分の姿を世の中の競争の中で思い知らされたと話した。それに気づいたのは既に遅い。そのため見合いをし、お医者さんの娘さんの絹子さんと見合いをし結婚したという訳だと言った。

 小山田さんの話を聞いてると自分とは対照的な人生を歩んできたとわかり、非常に参考になると告げた。それを聞いて、小山田が、買いかぶらないで下さいよと言い、ただ、私には、選択の自由はなく、自分で自分の人生を切り開くしかなかっただけですと答えた。なければつくるしかない、それだけですよと言い切った。次に、倉吉さんが、株投資は、どうやって覚えたのですかと聞かれ、最初は、友人に教えてもらって、その後は、本を読んで勉強したと伝えた。それだけで億の金を掴んですかと驚いた様に言った。ただ投資した時代が、たまたま日本の成長期だっただけですよ、照れながら言った。

 それに対し、そんな事はない私の友人で株に失敗して土地建物を手放した人間も多くいると言った。私も、ずいぶん苦い経験をしたと言うと、小山田が、ネットバブル2000年から2001年の頃ですかと言うと、その通りと言った。倉敷さんが、私の実家も商売をして、お金があり大手証券の担当者が父に、投資の極意を教えてくれた。その話を父の横で良く聞いていたので覚えていますと言い、金持ちは、上がると確信できた時に、初めて大きな投資に出るべきだと、その担当者が教えた。

 貧乏人は、ギャンブルをするように、安い株を買えだの将来性はどうかなど、わかった様なことを言うが、世の中一寸先は闇、わかりゃしないと担当者が話したと語った。それを聞いて、金持ちの順張りですねと言い、小山田が、株の本を読んで覚えた、最初の格言は、「金持ちの順張りと貧乏博徒の逆張り」。貧乏人は、下げた所、安いところ買い、高区なったところを売る。はずして、会社が潰れる場合もあるが、投資金額が小さいから、やり直しがきく。

 また、成功すると10倍以上の儲けになる事もある、そのため博徒の逆張りという訳だと説明。しかし、そうはいっても、投資する小さなひよっこ企業が大化けするかどうか何て、神のみぞ知る世界で、わかりっこない。そこが難しい、そのため、企業分析の確かな目が必要で、そのためには、企業分析の本を何冊も読んで、どういう指標を見るべきかを調べて、ノートに、書き込む勉強は、必死でやったと打ち明けた。でも、学校の勉強と違って、成功すれば銭が入ると思うと不思議と頭に入ったと小山田が笑った。

 そこで、企業を分析して、5年後、10年後の株価を予想して投資するようになったと伝えると、倉敷さんが、そうでしょうね、そういった努力をしないで、大手証券の言いなりになって投資しても株屋が儲かるだけで、投資家はあまり儲からないと笑いながら言った。やっぱり、多くの本を読んで、勉強したんですねと言うと、それだけでなく、多くの失敗もしましたよと笑いながら言った。

 最後に、金持ちは、絹子さんのように、投資信託に長期投資して、その国、その会社が成長する分だけ、投資金額を増やす方法のが時間はかかるが、間違いないでしょうねと言い切った。そう言う事で最近はETJF「上場株式投信」が、大はやりですと言い、株投資と投資信託の良いとこ取りで、ブームになってますよねと言った。
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