日本の名家の末裔と欧州豪族

ハリマオ65

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28話:母が、老人施設へ入所

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 3ヶ所とも車で10分程度の所で、入間は、ゴルフ場が近くて景色が良いので決めた。数日後、KU病院に行き、恵子さんのお母さんの主治医にその話をすると、すぐに退院書類を書いてくれた。

 そして、その日のうちに退院して自宅に帰った。自宅に戻っても、特に反応がなく、ご主人を亡くした悲しみがいまだに消えないようだった。

 そこで、明日、恵子さんを連れて、ドライブに誘い、気分転換に行きましょうと、恵子さんが言うとそうしましょうかと、承諾してくれた。

 翌朝、渋滞の前に家を出て途中で休みながら10時に、めざす、入間のゴルフ場についた。昔は、お父さんと、良く、この辺のゴルフ場に来たのよと、昔を懐かしむように行った。

 もしかしたら、このゴルフ場も来たかも知れないと言った。ゴルフ場の中のレストランで食事をして、ゆったりと休んだ。ゴルフ場は、景色がきれいで気分が晴れるわと久しぶりの笑顔になった。

 恵子さんがゆっくりとした口調で、お父さんの思い出がある実家を出て、こんな景色の良い老人ホームに入りませんかと切り出した。すると、そうね、それも、良いかも知れないねと母が言った。

 次に、七郎が、実は、この近くに、私が、開設した「入間の里」と言う名の学生寮があって、週に何回も通っていることを話して、この近くの老人ホームなら、恵子を連れて、毎週、来ることができる。

 と、言うと、本当、それなら、寂しくないわと言ってくれた。七郎さんの「入間の里」学生寮を見せて下さると言うので、行く事にした。学生寮に連れて行くと、お母さんが、立派で新しい建物ねといった。

 さぞかし、お金かかったでしょうと、笑いながら言った。その日は、ちょうど、老人ホームを紹介してくれた木元さんが、来られていて、母を紹介した。

 木元さんが、七郎が自費でこの施設を立ち上げて、全国からの苦学生に安く部屋を提供して、地元のシングルマザーに仕事を与えてくれたんですよと話してくれた。

 お母さんが、すごい本当と七郎に聞くので、照れくさそうに、まーねと、おどけて言った。お母さんが、この人、娘の旦那さん、何だけど、どんな仕事をしてるのか、知らないのよと話した。

 生い立ちのことなんかも、全然、教えてくれないのよと言い、でも、素晴らしいことをしていたのね見直したわと笑った。オープンカフェで、料理長の鈴木良三さんが、お母さんに挨拶した。

 そして、せっかく、お見えになったんですから、おいしい、狭山茶と名産のまんじゅうと、お団子を食べていって下さいと言ってくれ少しして持ってきてくれた。

 お母さんは、実は、私、お茶には、うるさいのよと言い、狭山茶の香りをかいで、ゆっくりと味わうように飲んだ。本当に美味しいと言った。料理長は、喜んで、お口に合って光栄ですと笑いながら言った。

すると、回りの連中からも笑い声が聞こえた。母は、すっかり機嫌を良くしてくれ、いろんな人の挨拶に答えてくれた。30-40分後、七郎と奥さんとお母さんが、みなさんにお別れを言って帰って行った。

 帰りの車中で、お母さんは、上機嫌で、恵子、良い旦那とめぐり逢って、よかったねと言い、恵子さんが、お母さんの子だから、良い男を見つける才能があるのよと、笑って返した。

 母が、すっかり元気になって、入間に連れてきて良かったと思った。そこで、母に入間の施設に入居して良いのですかと聞くと、景色も綺麗だし、気に入ったわ。

 それに、あなたたちが、毎週来てくれるというのだから入間の老人ホームに入りますよと言ってくれた。その後、お母さんは、旦那さんの死を乗り越え元気を取り戻して若い頃の様に元気な、お節介さんに戻る事ができた。

 その後、恵子にも秘密にしていた「入間の里」学生寮の仕事やスイスのプライベートバンクの話も打ち明けた。特にスイスのプライベートバンクでの投資について七郎が忙しい時、手伝うと約束してくれた。

 その後、七郎に変わってプライベートバンクの職員にメールを打って、いろんな指示をしてくれるようになり、七郎は、入間での仕事に専念できるようになった。

そのため、約束通り毎週1-2回、お母さんの施設への訪問は欠かさず行う様にしていった。次に、世界の情勢に目を向けてみると、この2年で、悪い方へ向かっていった。
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